① よろしくお願いします

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③ 平成27年7月から障害者総合支援法（以下 支援法と述べます）の

対象疾患が拡大され、円錐角膜が加わりました。条件を満たせば、円錐角

膜の患者さんにコンタクトレンズが補装具として支給されるはずですが、自治

体によって支給の可否判断がわかれています。今回は、当院で経験した混

乱について報告します。

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④ 平成28年7月27日、2月から当院でフォロー中の51歳女性が「区役

所で 円錐角膜なら支援法の対象になる」「本来は購入してしまうと給付が

受けられないが、今回は返金の対応を行う」と言われましたと受診しました。

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⑤ 視力は眼鏡でも右（1.0） 左（1.2）。7月27日にハードコンタクト

を処方しました。

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⑥ 症例１が「給付対象になるか」 確認中の、8月8日 に平成24年から

当院でフォロー中の患者がハードコンタクト新作目的で受診しました。

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⑦ 症例2 は、30歳女性 右視力は眼鏡では（0.3）ハードなら

（1.0）、左は眼鏡、ハードともに（1.2）でした。

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⑧ 支援法によって給付が受けられる可能性があること、購入した後では給

付が受けられないという事情を説明し、居住地である 多賀城市役所に確

認することを勧めました。 会計の際、「円錐角膜は難病なのですね」とショッ

クを受けていたと受付から報告があったため

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⑨ 電話して ハードを装用すれば視力は正常であり、心配されているような

意味での「難病」ではないこと。 まだ、支援の対象や 方法について現場は

混乱していること。現在仙台の区役所経由で確認している最中であること。

はっきりしたら 当院から連絡することを約束しました。

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⑩ 8月9日 本人から「多賀城市役所に確認したところ、円錐角膜は難病

に指定されていない。 助成対象は国が決めることなので仙台だけ対象とい

うのはおかしい。当院で確認するように言われた」と電話がありました。

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⑪ 同日 区役所から「支援法の対象になるのは、視力が身体障害者手

帳に該当する場合である」と電話がありましたので、症例１は身障手帳に該

当する視力ではないことを伝えた上で、本人は支援の対象になると誤解して

いるので、区役所から説明してほしいと依頼しました。

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⑫ 身体障害者手帳に該当するかどうかの判断基準である矯正視力は、

最も適正な 常用しうる矯正手段で測定されたもの とされており、眼鏡だけ

でなくコンタクトレンズによる矯正も含まれています。

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⑬ 結果として、症例１・２ともに 支援法に基づく補装具の支給には該当

しませんでした。これらのやり取りのために、患者、市役所と多数回の電話が

必要となりました。

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⑭ 8月17日：症例１が区役所の担当から説明を受けて、理解いただい

たことを確認しました。症例２については相談が行われた結果、区役所の担

当から明日電話してみることになったと連絡ありました。

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⑮ 各地で様々な混乱があります。レンズ代金については、保険の自己負

担分という自治体と 1割負担という自治体があります。

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⑯ 無関係な書類が渡されたり、度重なる診断書費用が負担となって、結

局申請をやめてしまう例もあり、患者の不信・不満の原因になるようです。

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⑰ 販売許可申請についても、患者が居住している役所に申請する必要が

あるのですが、費用もかかりますし、申請先の自治体によって書類が異なるこ

ともあります。

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⑱ このような現状からか 平成29年3月24日付で、厚生労働省から、

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⑲ 事務手続きを円滑に進め、必要なサービスを速やかに受けていただくた

めに【事務連絡】【通知】が発出されました。

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⑳ 平成28年7月9日に当院初診の60歳女性の視力は右（0.02）

左光覚なし。 右は円錐角膜、白内障、網脈絡膜萎縮 左は眼球ろうでし

た。12月に右白内障手術を受け

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21 術後の右視力は眼鏡で（0.1）、ハードなら（0.2）となりましたので

平成29年2月にハードを処方し、通常購入していただきました。

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22 3月にはスペアレンズを処方し、こちらは支援法に基づき補装具申請を

行った結果、4月に補装具として給付されることになりました。

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23 補装具を申請する場合の注意点です。２）補装具費の申請は可能

ですが、収入によっても支給の可否が異なることもありますので、判定の結果

支給されない場合もあるということを十分に説明しておく必要があります。

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24 また、意見書には、身体障害者に該当するような日常生活上の支障

を明記することが必要です。

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25 「通常のコンタクトレンズでは、痛みで装用できない・頻繁に脱落するな

ど、十分な矯正視力が得られない」場合でも、「多段カーブなどの特殊コンタ

クトレンズなら、日常的に良好な視力が得られる」場合がありますが、高価な

ハードが補装具として申請できるかに関しては、今のところ不明です。

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26 抄録時点では「厚生労働省からQ&Aなどを示していただくことが必要で

ある。」としておりましたが、3月24日に新たな通知と事務連絡が発出されま

したので、当分は 眼科医の中で情報共有を確実に行い、各自治体におけ

る情勢を見るべきであると考えています。

以上です。

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