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物理化学特論(第三回) 鈴木良尚

物理化学特論(第三回) - Tokushima U...質問書(4月14日)その3 • 半径が大きくなって臨界点の山を越えると∆F cが正 でも山を越えた時点から結晶ができ始めるのか?→分子の集合体(クラスター)がある状態では自由

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物理化学特論(第三回)

鈴木良尚

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質問書(4月14日)その1• プラズマクラスターっていうのは何か結晶成長に関係あるのでしょうか?→残念ながら関係ありません。クラスターとは集合体の総称です。シャープのプラズマクラスターは、プラズマがウイルスなどにくっついて、ウイルスなどを破壊することができる技術だそうです。ホントかなあ。

http://www.sharp.co.jp/pcig/feature/

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質問書(4月14日)その2• 熱揺らぎとは?→系の中に熱エネルギーkT程度で変わりうる状態が複数存在する場合→熱揺らぎによる状態変化

• 準安定状態とは?→最も安定な状態以外に存在する安定状態

→過冷却・過飽和状態もその一つ

→最安定状態の間に乗り越えるべきエネルギー障壁が存在

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質問書(4月14日)その3• 半径が大きくなって臨界点の山を越えると∆Fcが正

でも山を越えた時点から結晶ができ始めるのか?

→分子の集合体(クラスター)がある状態では自由

エネルギーは正の状態である

→しかし、分子が一つずつ取り込まれたり出て行っ

たりすることでクラスターの成長・溶解が決まるとすれば成長する方がFの値が小さくなるので、反応はそちらへ進む(Rc以下では逆方向に進む)

→ ∆Fcは、式から分かるとおり、表面エネルギーの

3乗に比例、駆動力の2乗に逆比例します。

RRC

∆FC

∆F

…….

臨界核

どこまでもはおおきくならない

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質問書(4月14日)その4• Wulffの関係式で核の形は結晶の平衡形とあったが、人為的に核の形もコントロールできるか?→異方的にγを変えることができればできる→例えば溶媒のpH、極性、などなどを変えればγを変えることができるが、そのときに面方位の異方性が変化すればよい(同じ物質でも形は変わる)

O O’

hi’hi

R

riri’

Ai

Ai + δAi

ni

.2

0)2

(

0))'(2

(

constvh

Ahv

AnRhv

Si

i

iii

iS

iii

iiS

=∆

=⇔

=+∆

−⇔

=+⋅−∆

µγ

δγµ

δγµ

Wulff’s theorem

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質問書(4月14日)その5

• グラニュー糖など市販されている結晶は工業的にどのような過程でつくられるか?→当然、ものによって色々なプロセスがある。砂糖は、例えば、

1.サトウキビの茎を細かく砕いて汁を搾り、その汁の不純物を沈殿させて、上澄み液を取り出し、煮詰めて結晶を作る。

2.伝統的な製法では、カキ灰に含まれるカルシウム等のミネラル分が電解質となり、コロイドを凝集させる為、カキ殻を焼いて粉砕したカキ灰を沈殿助剤として加える例もある。

3.煮詰めてできた結晶と結晶にならなかった溶液(糖蜜)の混合物を遠心分離機にかけて粗糖を作る。

4.粗糖の表面を糖蜜で洗った後、さらに遠心分離機にかけて、結晶と糖蜜を分ける。

5.その結晶を温水に溶かし、不純物を取り除き、糖液にする。6.それを煮詰めて結晶を生じさせ、真空状態のもとで糖液を濃縮する。7.結晶を成長させた後、再び遠心分離機にかけて、現れた結晶が砂糖となる。

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質問書(4月14日)その6• 触媒のように、∆Fcを下げるような物質や条件はあるか?

→たとえば、壁から生じる不均一核生成では∆Fcは下がる

→溶媒の性質を変えれば、γを通じて∆Fcを変えられる

• 表面エネルギーは何故異方的?→結晶の方位によって生じる表面構造が変わるから。

(111)面 (100)面

(110)面

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予定

• 結晶成長事始(結晶とは?結晶成長とは?結晶成長はこんなに偉い!)

• 相変化の熱力学• 結晶の誕生• 理想的成長• 表面構造とラフニング• 表面kinetics

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準安定状態からの核生成

• 0℃以下でも凍らずに存在

→過冷却状態・準安定状態

• 結晶化するには核生成が必要

→不純物・壁などからの不均一核生成

→均一核生成

• 界面の存在

→表面自由エネルギーの増加

→ギブス自由エネルギー上昇が原因

結晶の誕生

界面

結晶核

環境相

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界面自由エネルギー

• 2つの相の境→界面→片方が気相のとき表面

• 単位面積当たりの自由エネルギー

→表面エネルギー密度

結晶の誕生

結合エネルギーJ

表面エネルギー密度γ = J / 2 a2

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臨界核半径その3

• (1), (2)よりRvPTPT S

SLγ

µµµ2),(),( =−=∆

結晶の誕生

RRC

∆FC

∆F

23

43

4 RvRF

S

πγπµ +∆−=∆

),(2

PTvR S

C µγ

∆=

Gibbs-Thomsonの式

2

32

316

µγπ

∆=∆ S

CvF

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均一核生成

結晶の誕生

• 核生成→自由エネルギー増加必須…(1)• 熱力学第二法則→自由エネルギー増加禁止…(2)• (1), (2)は矛盾??→熱ゆらぎによって解決!!

A, B二つの微視的状態が実現する確率P(A), P(B)の比

)exp()exp()()(

kTE

kTEE

BPAP BA ∆

−=−

−=

臨界核以上の大きさの核が生成する頻度→核生成頻度

)3

16exp()exp( 2

32

00 kTv

JkTF

JJ SC

µγπ

∆−=

∆−=

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不均一核生成その1

結晶の誕生

O

O

R

R

γWL

R

γSL

γWS

θ

θθ

• 界面張力のつりあい

WSWLSL γγθγ −=cos

)cos1(2

)cos2()cos1(31

2

23

θπ

θθπ

−=

+−×=

RA

RV

Rsinθ

より

hom

2

)(

)cos2()cos1(41)(

FF het ∆Φ=∆

+−=Φ

θ

θθθ

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不均一核生成その2

結晶の誕生

• 壁に対しての結晶成長様式完全な濡れ(γWL > γWS + γSL )→Frank – van der Merweの層成長様式

部分的な濡れ(γWL + γSL > γWS > γWL - γSL )→Volmer – Weberの島状成長様式

完全に濡れない(γWS > γWL + γSL )

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結晶が成長するには?

• 結晶化する分子の結晶面への輸送• 結晶面での分子の結晶相への組み入れ• 発生する潜熱や不純物の排出

理想的成長

ステップ

キンク

ws

h

拡散

吸着

表面拡散

脱離二次元島

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融液成長その1

理想的成長

))exp(1)(exp()exp(kTk

SkTE

aR d µν ∆−−

∆−−=

∆µ

結晶 液体

Ed

E

分子1個で進む距離

分子の振動数

成長側

溶解側

)exp(

ln

kS

WW

SssWW

k

L

S

LSL

S

∆−=⇔

∆−=−=

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融液成長その2

• K: カイネティック係数• Wilson – Frenkel則

理想的成長

)exp()exp(k

SkTEaK

kTKR d ∆−−

=⇔∆

≈ νµ

上式は理想的な条件における成長速度→分子組み込み速度や潜熱除去が遅いとこれより遅くなる

TT

h

M

∆∆

=∆µ

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気相成長その1

dvkTmv

kTmdvv )

2exp()

2()Pr(

22/3 −

理想的成長

xy

z

m

Maxwell – Boltzmann分布

z方向下向きに単位時間・面積あたりに入射する分子数は?

kTPn

mkTPvvndvdvdvPF

G

zGzyx

=

== ∫∫∫ ∞−

∞−

∞− π2)Pr(||)(

0

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気相成長その2

mkTPPv

mkTPPaaR eSe

ππ 2)(

2)(2 −×=

−××=

理想的成長

表面に到達したものが全て結晶化するとすると

分子表面積

分子1個で進む距離

入射 離脱

Hertz – Knudsen の式

)/ln(),(),()(),(2

)1)(exp(

2)1/(

eeGGSG

eSeeS

PPkTPTPTTPTkT

KmkT

kTPv

mkTPPPvR

=−=−=∆

∆≈

−∆

=−

=

µµµµµ

µπ

µ

πQ

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溶液成長その1

理想的成長

))(exp( edesolv

S CCkTEvaR −

−= ν

∆µ

結晶 溶液

Edesolv

E

分子1個で進む距離

分子振動数

成長側

溶解側キンク体積

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溶液成長その2

理想的成長

))(exp( edesolv

S CCkTEvaR −

−= ν

)/ln(),(),()(),(

)1)(exp()/exp(

))(/exp(

eesolsolSsol

edesolvS

edesolvS

CCkTCTCTTCTkT

KkT

CkTEva

CCkTEvaR

=−=−=∆

∆≈−

∆−=

−−=

µµµµµ

µµν

ν

Q

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質問書(過去)その1• Stanleyはどのようにしてウイルスタンパク質の結晶化をしたか?→In this early work, large batches of frozen infected plants, ground in the frozen state, were thawed in buffer containing sodium phosphate of high pH, and the filtrate was precipitated at a lower pH with a high concentration of ammonium sulphate. This precipitate contained virus that was extracted and reprecipitated. A low concentration of lead acetate at high pH was added to remove coloured material, with an asbestos powder used to adsorb the virus at low pH. The virus was subsequently eluted at high pH and crystallized from this solution as small ‘needles’by the addition of acetic acid to a defined low pH in the presence of 20% saturated ammonium sulphate.

Stanley, W. M. Science 28, 644-645, 1935.

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質問書(過去)その2• 中村教授のGaNはどういう過程でできるのか?→サファイヤの基板上で核生成、成長する。

サファイヤ基板

熱対流を抑える

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質問書(過去)その3• 固相間の相転移は、一度結合が緩んでから起こる?

→分子の再配列が起こることにより進行する

→単結晶の内部よりは多結晶のグレイン間などで

開始する可能性が高いhttp://www.sci.osaka-cu.ac.jp/phys/crys/ice/lect6.html

http://www.sakura.cc.tsukuba.ac.jp/~hphhirai/contents/heavy_hot.html

単結晶 多結晶 アモルファス

結晶粒界

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六方晶と立方晶の氷http://www.lsbu.ac.uk/water/phase.html

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質問書(過去)その4• 結晶成長の制御はどのようにして行うか?精密に制御できるのか?

→気相成長などは非常に精密に制御できる

→例えばMOCVDとかMBEとか。。

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沈降速度→小沈降速度→大

核生成→軽減

質問書(過去)その5• 遠心力によりどのようにコントロールしてコロイド結晶を作っているのか?→

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質問書(過去)その6• 2次相転移や3次相転移などもあるのか?最大何次の相転移があるのか?

→ 2次相転移は、相転移の際、化学ポテンシャルの温度に

よる偏微分係数にとびがなく、熱の出入りがない。

#例えば、強誘電体の相転移とか、Heの液液相転移→1次、2次は、熱力学関数の偏微分係数にとびが生じるところを示している→1次ではエンタルピー、2次では熱容量

→Kosterlitz-Thouless転移(結晶表面のroughening transitionなど)は何回でも微分可能ということで「無限次」ということになってしまう

→最近では一次相転移と連続相転移という分類がある

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質問書(過去)その7• 結晶形の制御をする最先端技術?→チョコレートの口解けの結晶系制御による制御→カカオバターでは4つの結晶形(γ、α、β’、β)がある。全て融点が違うし、結晶核生成頻度も異なる。

→薬剤結晶でも溶解速度などで最適結晶形を制御する多形制御が重要な研究対象となっている。

→結晶形とは結晶の外形ではなく分子間の結合の方位や強さの違いによる分類

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質問書(過去)その8• コロイド結晶でもともと透明なものが着色して見えるものの応用?

Fudouzi, H, et al. Adv. Mater. 15, 892-896, 2003

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質問書(過去)その9• 水をゆっくり冷やしたものに衝撃を与えると一瞬で固まるというのは衝撃により∆µが大きくなったと考えられるか?→衝撃により揺らぎが増幅され(主に密度揺らぎ)、 ∆µが増加し、一気に結晶化する

http://rika.el.tym.ed.jp/cms/53165b66/4e0077ac6c3730924f5c308b/4e0077ac6c3730923064304f308b

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質問書(過去)その10

• シリコンの単結晶の作製法は他にどんな方法が何種類ぐらいあるのか?

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質問書(過去)その11

• 水から氷になるとき、0度以下で核生成した後0度まで温度を上げたら核はそのまま成長するか?

→核の大きさによる

→臨界核に比べて十分に大きくなった後に0度に持っていってもその結晶は溶解しないで水と平衡状態を保つ

→臨界核をちょっと大きくした程度で0度に持っていったら、もしかしたら全部解けて水になってしまうかもしれない

→微結晶の表面の曲率半径によって決まる