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(昭和女子大学発行) 平成28年1月1日 (1) 第595号 〒154-8533 03 …… ( ) ( ) Team Sancha BLIP14 Team Yon Tou Ka 使Boston City Government ( ) 11 19 in in 左から柳澤さん、石黒さん、菅さん、Binnovative代表の西本会里子氏

発達する、ということ - univ.swu.ac.jp · 第595号 平成28年1月1日 昭和学報 (昭和女子大学発行) (2) 世田谷区と共催で 若者支援シンポジウム開催

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Page 1: 発達する、ということ - univ.swu.ac.jp · 第595号 平成28年1月1日 昭和学報 (昭和女子大学発行) (2) 世田谷区と共催で 若者支援シンポジウム開催

昭 和 学 報 (昭和女子大学発行)平成 2 8年 1月 1日( 1 ) 第 5 9 5号

今月の昭和学報は

昭和女子大学

〒154-8533東京都世田谷区太子堂

(三四一一)五一一八

編集発行人 山崎洋史

03

み、試行錯誤しつつも何

とかやっていけるように

なる」と考えると、それ

は、乳幼児だけではなく、

青年はもちろんのこと、

中年も高齢者もあては

まってきます。両親世代

は、子どもが大学生に

なって、間もなく独立し

ていこうとしているとい

うことを嬉しく思いつつ

も、一抹の寂しさを感じ

ていることでしょう。こ

うした子離れについては、

今まさに初めて出会って

いる課題です。祖父母世

代も、今まさに初めて、

体力の衰えを感じ、それ

との付き合い方を試行錯

誤しています。学生が、

これからどのように人生

を進んでいこうかと迷い

試行錯誤しているのと同

じです。

 私は、中学時代、自分

自身が何になりたいのか

よくわからなくて、親友

と「早く大学生になりた

いね」と話していました。

大学生になったら、その

先がすっと見渡せるよう

になると思っていました。

ところが、大学生になっ

てみても、残念なことに

先が見通せません。当時、

同じ親友と「五十歳ごろ

に、(いろいろ経験を積

んで)熟女になっていた

いね」と目標を変更した

発達する存在だと考えて

くれるようになってほし

いと思っています。

 『発達』というと、多

くの人は、「昨日できな

かったことが今日はでき

るようになる」とイメー

ジするようです。こう考

えると、発達の代表選手

は乳幼児です。一か月単

位で、いえ、一週間単位

でできることがどんどん

と増えていくのが乳幼児

です。しかし、少し視点

を変えて、「昨日とは異

なる新たな課題に取り組

たことのない学生に、乳

幼児のことを知ってもら

うことは、乳幼児そのも

のを知ってもらうために

も、乳幼児時代から続い

ている現在の自分を知っ

てもらうためにも重要で

す。しかし、それだけで

はなく、『発達心理学』

の授業の目標の一つとし

て(といっても、シラバ

……

)、受講生が自分自

身のことを、さらには、

両親や祖父母のことをも

 心理学科一年生前期の

必修授業である『発達心

理学』の初回冒頭に、

「みなさんは、ご自分が

日々発達していると思い

ますか」という質問をす

るのが毎年の恒例です。

この学報を読んでいるあ

なたはどう答えますか。

年度によって多少の違い

はありますが、この質問

にイエスと手をあげる人

の割合が五割を超えるこ

とはありません。まして

や、それに続く「みなさ

んのお母さんやお父さん

は、日々発達していると

思いますか」という質問

には数名が手を挙げるの

みですし(受講生は百名

前後います)、「みなさ

んのおばあさんやおじい

さんはどうでしょうか」

という質問にいたっては

けげんな表情をしていま

す。きっと〈大学の教員

というのは変な質問をす

るのだなあ〉と思ってい

るのでしょう。

 発達心理学イコール乳

幼児のことを研究する心

理学と考える学生が大勢

います。もちろん、物心

ついてから乳幼児に接し

ことを覚えています。一

時期流行っていた熟女と

いうことばに、「成熟す

る」イコール「経験豊か

な魅力的な女性」という

理想・ゴールを抱いてい

ました。しかし、残念な

ことに、五十歳になって

もどうもゴールに到達し

た感じがありませんでし

た。同じ友と「五十歳に

なっても、たいしたこと

ないねえ」とため息をつ

きました。そしてこのこ

ろになると、さすがに気

がつきました。一生ゴー

ルはないのだと。

 本学では発達心理学と

いう授業名ですが、授業

名自体を生涯発達心理学

としている大学もありま

すし、書店に行くと、発

達心理学というタイトル

の書籍と同じ位、生涯発

達心理学というタイトル

の書籍が並んでいます。

そうです、生涯をかけて

発達するのです。

 学生のみなさん、課題

に取り組み、悩んでいる

のは、あなただけではあ

りません。ご両親もおば

あちゃん・おじいちゃん

も、そして、私たち教職

員も同じです。発達しつ

つある同志として、新し

い年も、互いに切磋琢磨

いたしましょう。

(

ふじさき はるよ)

 ENVOの活動の一つ

に、平成二三年から毎夏、

宮城県女川町で行ってい

るボランティアワークキ

ャンプがある。世田谷で

もできる継続的な応援方

法について課題となって

いたが、今年女川の皆さ

んから、女川紙ランタン

の提案を頂いた。そこで、

クリエイティブプロジェ

クトの職員の方と一緒に、

紙ランタンを作り学内に

灯すイベントを行うこと

で、女川へ応援メッセー

ジとして届けることにし

た。ランタン一五〇〇個

制作の目標を掲げた際は、

集まるかどうか不安だっ

たが、大学だけでなく附

属の皆さんや地域の方も

積極的に制作に協力くだ

さり、目標を達成するこ

とができた。当日集計し

たところ、一八六四個の

ランタンに美しい光が灯

り、会場となった昭

和之泉は暖かいオレ

ンジ色の光に包まれ

た。ランタンを通し

て多くの人が女川の

皆さんと繋がること

ができたと感じられ

た。(

ENVO

佐久間彩子)

 毎年秋にボストンの非

営利企業「

ビノベイティ

ブ」

が開催する在米日本

企業のビジネス・ソリュ

ーションを競う同コンペ

ティション。今年は「

頭火ラーメン」

とのコラ

ボレーションで、ボスト

ン近郊におけるプランを

競った。先生方に参加を

勧められ、良い経験にな

るだろうと出場を決めた。

 このコンペには、色々

なバックグラウンドを持

つ四三名、八チームが参

加。本学からは、私達

「Team Sancha

」の三名

と、B

LIP14

の学生二名

で構成する「Team

Yon

Tou Ka

」が参加した。

 私達は新しい顧客獲得

のため、日本の屋台をイ

メージした期間限定のフ

ードトラックを使ったプ

ランを提案。プラン作成

に当って、アンケートを

実施し、フードトラック

Boston City Governm

ent

に質問するなど、リサー

チを徹底した。フードト

ラックの外装は、アメリ

カの人々の興味を引くた

め、提灯や暖簾等日本ら

しさを押し出した。この

リサーチと日本らしさが

評価され、優勝できた。

 参加者の多くがビジネ

ススクールの学生や卒業

生、MBA取得者や社会

人であり、そうした方達

と互角に戦うことができ

たこと、さらに優勝でき

たことを本当に嬉しく思

う。(

ビジネス 石黒友梨・

菅晏奈・柳澤真帆)

 崎

 春

 代

発達する、ということ

心理学科長

11/19

女川灯紙祭in光葉庵を開催

女川灯紙祭in光葉庵を開催

世田谷区と共催で若者支援シンポジウムを開催

………(2)

平成二七年度学寮研修報告

………………(3)

第一回Jリーグトラッキングデータコンテストで

現代教養学科

有志学生が審査員特別賞を受賞

………(4)

左から柳澤さん、石黒さん、菅さん、Binnovative代表の西本会里子氏

ビジネスデザイン学科の有志学生が

ビジネスプラン・コンペティションで優勝

ビジネスデザイン学科の有志学生が

ビジネスプラン・コンペティションで優勝

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昭 和 学 報 (昭和女子大学発行)平成 2 8年 1月 1日 ( 2 )第 5 9 5号

世田谷区と共催で

若者支援シンポジウム開催

世田谷区と共催で

若者支援シンポジウム開催

自分の大学での学びを

活かしたいけれど、何を

したらいいのか分からな

い……

。ボランティアに

挑戦したいけれど、どう

すればいいのか分からな

い……

。そんな悩みをも

つ人は、ぜひコミュニテ

ィサービスラーニングセ

ンター(

CSLセンター)

足を運んで欲しい。

今回、私達はCSLセ

ンターの関根さん

にインタビューを

させていただいた。

CSLセンターは、「

が変わる、学びは変わ

る」というコンセプトの

もと、学生が大学で学ん

だことを地域社会で活か

す体験を支援するため、

ボランティアの紹介等を

行う相談窓口だ。

そしてCSLセンター

には、学生ボランティア

コーディネーター、通称

ENVO(

Enjoy Volunteer)

という有志学生の団体が

ある。ENVOの皆さん

もボランティアを希望す

る学生にアドバイスをし

てくれる。ボランティア

未経験者でも、同じ学生

同士で相談できれば、心

強いのではないだろうか。

ENVOは四チームで

編成され、CSLセンタ

ーのプログラムの企画立

案・事前準備・実施・組

織運営・活動のふり返り

など、ほぼ全てのプロセ

スに参画している。プロ

グラムで特に学生の関心

が高いのは、東日本大震

災復興支援にかかわる活

動なのだそうだ。

 CSLセンター利用の

きっかけが授業の一環だ

ったとしても、実践を通

し達成感を得て、「やっ

てよかった。もう少し活

動先とかかわりたい」と

いう気持ちが生まれ、授

業後も継続的にボランテ

ィアに参加する学生もい

る。参加学生からは、ボ

ランティアは「してあげ

るだけではないというこ

とに気付けた」という声

も聞かれる。

 繰り返しになるが、興

味が少しでもある学生は

ぜひCSLセンターを活

用してほしい。

(

学報委員 大手美歩・

川口由菜)

 島谷先生のご趣味は、

テニス観戦だそうだ。伊

達公子選手が世界ランク

一位の選手とウィンブル

るものとなった。

 坂東眞理子学長の開催

挨拶に始まったパネルデ

ィスカッションは、コー

ディネーター保坂展人世

田谷区長、斎藤環筑波大

学精神保健学教授、山﨑

洋史本学大学院臨床心理

学教授、山登敬之東京え

びすさまクリニック院長

による発議がなされた。

シンポジストの経験や専

門に基づく多くの指摘に

より、「ひきこもり」や

「生きづらさを抱えた若

者を取り巻く生活環境な

どの課題を取りあげた上

で、今後求められる若者

支援のあり方について専

門的見地から議論を行っ

た。その後、参加者から

出された質問に答える形

で盛況の内に終了した。

若者支援の取り組みを進

めていく上で貴重な示唆

が得られたとの感想がア

ンケートにより多く出さ

れた。

 なお、当シンポジウム

の動画は一二月下旬に、

YouTube

の『世田谷区オ

フィシャルチャンネル』

で公開する予定である。

 世田谷区・昭和女子大

学の連携プロジェクト・

学生プロジェクトラーニ

ングとして、地域支援に

大いに貢献しているエビ

デンスのひとつとなった。

(学生部長・学生支援

センター長 山﨑洋史)

世田谷区・昭和女子大

学共催による若者支援シ

ンポジウムが「若者のミ

カタ 若者のミライ」と

題して、一一月一一日(

水)

一八時三〇分から本学コ

スモスホールで開催され

た。当日、ホールは立見

も出る程の満席となり参

加者約三百名の熱気溢れ

アフリー絵本の展示や福

祉マークの紹介、福祉作

業所による販売、詩の展

示を行い、約三百人が来

場した。

今回の試みとして、絵

本の読み聞かせのワーク

ショップをはじめ、福祉

マークの紹介や授業で読

んだ作業所の方々の詩の

作品を展示した。

 福祉マークは、公共の

場で見かけることが多い

が、意味が分からないこ

ともある。そこでマーク

を見つけた時、私たちが

とるべき行動をパネルに

まとめた。展示により、

マークを見つけた時に一

歩踏み出すきっかけとな

れば嬉しい。詩の展示で

は、作業所の職員の方が

大変喜んでくださった。

また、バリアフリー絵本

に来場者が興味を持って

くださったことは、企画

運営した私達にとって嬉

しい反応であった。パン

やクッキーも、たくさん

の方が買いに来てくださ

った。そして、物販では、

ブローチやキーホルダー、

お財布など、手作りの暖

かさが感じられる「世界

に一つだけのもの」を販

売した。

 イベントにより、来場

者のどこかに、障がいへ

の理解、そして「お互い

さま」の気持ちが芽生え

ればと思う。準備を重ね

てきた福祉社会学科のメ

ンバー、アドバイスをく

ださった先生方と助手さ

ん、そして来場してくだ

さった多くの方に感謝す

るとともに、最後までイ

ベントをやり遂げること

ができ、素晴しい経験と

なった。

(

福祉 草柳采音)

 一二月三日、福祉社会

学科の有志学生が、第二

回国際障がい者デーイベ

ントを学生ホール、グロ

ーバルラウンジで行った。

イベントでは、障がいに

ついての理解を深める機

会になればと思い、バリ

ドンで戦っているのを偶

然テレビで見たことがき

っかけなのだとか。スポ

ーツはメンタル面が勝敗

に大きく影響し、いか

に自分に負けないかが

鍵となる。劣勢に陥っ

た時、どのように自分

を立て直していくかな

どが感じられ面白いそ

うだ。また、小学校一

年生の担任の先生の美

しい字に触発され、高

校まで書道部員だった

そうだ。

 そんな先生のご専門

は、臨床心理学の精神

科領域である。心の病

をもつ人への心理学的サ

ポートをご研究されてお

り、心理学科の専門科目

と大学院の授業を担当さ

れている。

 学部生時代は、授業だ

けではなく、研究会や院

生室に出入りして、院生

や助手の方(現在の助教)

との交流を通して多くの

ことを学ばれたそうだ。

卒論も「自分でするも

の」という指導教官の方

針により卒論指導は殆ど

ない中で、図書館や院生

室に通って書き上げられ

たそうだ。

 当時は「女性は結婚し

て家庭に入る」のが一般

的で、先生も卒業したら

実家に帰ってくるように

言われたが、就職して自

立したいと考えられたそ

うだ。しかし、男女雇用

機会均等法のない時代に

四大卒の女性の求人は殆

どなく、就職活動では随

分苦労され、社会の壁を

身をもって感じさせられ

たそうだ。一社だけ内定

を得られたが、卒業間際

になってから、指導教官

の紹介で精神病院の心理

職の求人があり、自分が

本当にしたいことは何か

を改めて考えて、心理臨

床の道に進むことにされ

たそうだ。

 精神病院の患者さんは、

一見したところ、どこが

病気なのかわからない方

も多く、しかし病状が悪

化するとそれまで見えな

かった病気の部分が見え

てきたりする。何故、人

は心の病に罹るのか、ど

のようにして回復してい

くのかなど、通り一遍で

はわからない心の複雑さ、

不思議さに触れて、ご自

身の勉強不足を痛感され、

大学院に進学して学びな

おされたそうだ。その後、

本学の教員となられた。

 私たちは、学生生活の

中で様々な経験を積み重

ねて自分の将来を明確に

していく。今回の取材で

島谷先生がお話ししてく

ださったように、学生は

自己の責任で自ら動き、

その行動力こそが学生生

活を有意義に過ごすため

に必要なものなのだと感

じた。 (

学報委員

須浦早紀・髙嶋彩夏)

大学院時代の島谷先生

(前列左から二人目)

大学一号館の円形ホールを入って

すぐの入り口の奥にある

福祉社会学科

 第二回

国際障がい者デーイベントを開催

福祉社会学科

 第二回

国際障がい者デーイベントを開催

先生の研究室訪問

自己責任で切り拓く未来

心理学科教授

島谷まき子先生

CSLセンター編

CSLセンター編

職員に聞く!

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昭 和 学 報 (昭和女子大学発行)平成 2 8年 1月 1日( 3 ) 第 5 9 5号

 地域連携センターのイ

ンターンシップで「知財

活用アイデア全国大会」

に参加した。地区予選を

勝ち抜き、半蔵門で開催

された東日本大会では最

優秀賞を受賞し、西日本

大会(

京都)

の出場を決め

た。本大会は富士通株式

会社の開放特許を活用

し、学生の視点から新し

いビジネスアイデアを創

出するコンテスト

で、予選には三〇

大学約百チームが

参加した。私たち

は「捕獲遊具技

術」を利用した非

接触RFリーダー

とドローンを組み

合わせたゲームを

発案。西日本大会

当日は、全国から

選ばれた一一チー

ムがプレゼンを行

ったが、どのチー

ムの発表も素晴らしかっ

た。私達は、プレゼンテ

ーションの改善やデータ

の収集など、直前までブ

ラッシュアップを行い、

本番に臨んだ。異なる三

つの学科から集まったメ

ンバーであったが、結果

として、西日本大会でも

最優秀賞を受賞できたこ

とを本当に嬉しく思う。

これまで支えてくれた多

くの方々に感謝したい。

今後は商品化に向けて全

員で頑張っていきたいと

思う。

 (心理 安永さらら

  現代 下小野田彩華

ビジネス 中道あかり・

野本奈津希・水沼雅恵)

 (

有)

インタースペイン

代表取締役

高木和子氏、

アジア婦人友好会理事

元国連職員

近藤眞智子

氏、花王(株)小島みゆき

氏の三名の社会人メン

ターが、パネルディス

カッションを行った。

 グローバルに活躍する

ためには、日頃から国内

外の様々なニュースに目

を通し、学生時代から事

実を客観的に認識する能

力を身につけておくこと

が重要だそうだ。進んで

新しい環境に身を置くこ

とで、他国を含め色々な

人とふれあい、価値観の

多様性を学習できる。そ

して誰もが自分で身の回

りの家事をこなせる生活

力を育てることが、女性

の活躍には欠かせない。

短い時間であったが、先

輩方に教えていただいた

具体的な「

秘訣」

の数々を

是非参考にしたい。

(

ビジネス 打越有香)

知る必要があると述べた。

 日本は伝統的に「

現場

の力」が強みで、逆に

「日本的エリート」が弱

みである。現場力をもつ

のは小さい産業や企業、

自治体であり、そうした

組織ほどビジネスイノベ

ーションが多い。この強

さを更に活用すれば、財

政再建への大きな一歩と

なるのではないかと話す。

 今後の日本を背負うの

は私たち若い世代である。

私たちが日本経済を変え

ようと努力しなければ、

手遅れになる。まずは、

新聞やニュースに目をむ

け、経済に関心をもつこ

とが私たちのすべき第一

歩だと感じた。

(学報委員 大下泰世)

 岸氏は一橋大学を卒業

後、通商産業省(

現経済産

業省)

に入省、その後コロ

ンビア大学を卒業し、金

融担当大臣、郵政民営化

担当大臣等の政務秘書官

を歴任。現在は慶應義塾

大学大学院の教授を務め

られている。

 岸氏は冒頭、経済につ

いて理解してほしいこと

がたくさんある、今後日

本にどのような問題が起

き、どうすべきなのかを

 歴史文化学科の一・三

年生は一〇月二八日~三

一日、望秀海浜学寮にて

学寮研修を行った。今学

寮の目標は「新しい歴文、

始まる」。目標通り、今

年は新しい試みの多い研

修となった。

 学寮でも野外研修とし

て実際に現場に足を運び、

歴史や文化を学ぶ歴史文

化学科。一年生は誕生寺、

鯛ノ浦、清澄寺へ。三年

生は事前学習を行った上

で、今回はじめて赤山地

下壕跡などの戦争遺跡を

見学した。ヘルメットを

かぶり、うす暗い地下壕

をガイドさんに案内して

いただいた。手掘りの壁

にはツルハシの痕跡が

残っており、地層がくっ

きりと浮かび上がる。病

室や電信室など用途別の

部屋があり、地下には現

代から考えれば「

異空

間」ともいうべき空間が

広がっていた。

 そして今回の学寮での

はじめての試みとして

一・三年生の合同グルー

プでKJ法によるプレゼ

ンテーションとディベー

トを行った。テーマは

「一八歳選挙権の是非」。

学生それぞれがテーマに

向き合い、学年を越えて

意見を出し、互いの考え

を深めた。テーマ以外に

も、学生生活や授業につ

いて三年生に質問する一

年生の姿がみられた。新

しい試みを通し、日ごろ

とは違った学生間での交

流が深まる学寮研修と

なった。

(

学報委員 泉夏帆・

野沢春佳)

ーズから開演した。幕が

あがると一気に一九世紀

のヨーロッパの世界へと

引き込まれ、華やかなダ

ンスシーンはもちろん、

主人公クララを守るべく

戦うくるみ割り人形とネ

ズミの王様の戦闘

シーンでは、バレ

エ独特のしなやか

な動きの中にも迫

力を感じた。一部

後半の雪の場面で

は、光に当たり輝

く雪や、そこで華

麗に踊るダンサー

が観ている者を魅

了した。

 くるみ割り人形

にかけられていた

魔法が解け、王子

に戻りクララをお

菓子の国へと導く第二部

は、セットも明るく華や

かになる。世界各国の人

形が踊るシーンでは、細

部までこだわった衣装と

劇中音楽で、色々な世界

へ旅をしたような気分を

味わうことができた。特

に第二部では耳慣れた曲

も多く、それにふさわし

い衣装で物語の世界を全

身で表現するダンサー達

に、誰もが瞬きをするの

を忘れるほど惹きつけら

れた素晴しい公演であっ

た。(

学報委員 白坂まり)

 初演から三三年目を迎

える松山バレエ団の本公

演。誰もが一度は耳にし

たことがある有名なフレ

 管理栄養学科二年生は、

「秋深まる中、自然を感

じ、仲深めよう」という

学寮目標のもと、東明学

林で研修を行った。一日

目は横浜中華街を訪れ、

中華料理のマナー研修も

兼ねて、歴史や食文化、

華僑の人達の家族のリス

クヘッジや、医食同源の

考え方を話題として、広

東料理を堪能した。二日

目の労作は菜の花の苗木

ポット作りをしたが、そ

の後雨が止んだところで、

有志でみかんを収穫した。

三日目は今回の研修のメ

インイベントである焼津

市場とかつお節製造工程

の見学だった。かつお節

工場では解凍、生切り、

煮熟、焙乾という四つの

作業工程を見学した。間

近で見る作業は迫力と熱

気にあふれ、キャンパス

では体験できない学びを

得た。特に衛生管理や品

質管理の徹底、排水や煙

などで周辺環境へ影響が

無いように配慮されてい

たことに驚いた。私達は

学寮前から、かつお節に

ついて五つのテーマに分

かれて学習し、学寮に戻

った後にテーマ毎の発表

と質疑応答、評価を行っ

た。製造工程は今でも伝

統的な手法が継承され、

和食の旨味の元であるか

つお節という食品素材を

製造することが、いかに

大変なことか分かった。

管理栄養学科は普段から

授業や実験などクラス単

位で行動する事が多く、

日頃のまとまりのよさが

発揮されてスムーズに行

動できた。先生方や友人

と協力して楽しく、有意

義な学寮研修を送ること

ができた。

(

学報委員 大和田依里)

■松山バレエ団

くるみ割り人形」

(11/17)

■日本経済の本当の問題点

~若い世代はどのように自己防衛すべきか~

 岸 博幸氏(11/25)

◆歴文  10/28~31

◆管理  11/24~27

「知財活用アイデア全国大会」(西日本大会)で最優秀賞

「知財活用アイデア全国大会」(西日本大会)で最優秀賞

平成二七年度

 学寮報告

平成二七年度

 学寮報告

文化

講座

表彰式の様子

11/21

就活支援パネルディスカッション

グローバルな舞台で活躍する社会人メンターから秘訣を聞く!

就活支援パネルディスカッション

グローバルな舞台で活躍する社会人メンターから秘訣を聞く!

ディベートを終えて1・3年の合同グループで

職員の佐藤さんと

かつお節工場で

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昭 和 学 報 (昭和女子大学発行)平成 2 8年 1月 1日 ( 4 )第 5 9 5号

「次の日本代表を探せ!

NE

XT

HE

RO

SEE

KE

R

が審査員特別賞を受賞し

た。

 今年度からJリーグで

は、トラッキングデータ

と呼ば

れる選

手の走

行距離

などの

数値を

広く公

開して

いる。

このデ

ータの

有効活

用を問

うコンテストであり、七

○件余りの応募の中から

優秀作品に選ばれた五チ

ームがこの日、そのアイ

ディアを競った。

 試合に友だちを誘って

も「知っている選手がい

ない」と断られてしまう

自身の苦い経験を元にし

た等身大の目線と、デー

タを元に日本代表選手と

似ている選手を紹介する

という実現性の高いアイ

ディア、明快なプレゼン

テーションが評価され

た。この貴重な経験を、

今後も生かしていきた

い。

(現代

大桃詩歩)

 一一月一四日に開催さ

れた「第一回Jリーグト

ラッキングデータコンテス

ト」において、現代教養

学科の有志チームの提案

したスマートフォンアプリ

 今年度の毎日書道展は、七月八日

から一二月六日まで国立新美術館、

東京都美術館をはじめとして全国で

開催された。本学からは次の学生が

入賞・入選を果たした。

 ◇漢字Ⅱ類(U二三)部門◇

奨励賞 歴文四年 矢野由希子

入選  歴文三年 野呂田詩織

    健康三年 古川 真子

 矢野さんは二年連続入選後の初入

賞である。姉妹展の毎日女流書展で

も毎日賞を連続受賞し、今年委嘱昇

格の快挙を成し遂げた。野呂田さん、

古川さんも初入選を果たした。秋桜

祭では部長の福島さんを中心に屋外

のステージで書道部一丸となってパ

フォーマンスを行い、拍手喝采を浴

びた。毎日書道展は我が国最大の書

道展であり、栄えある入賞・入選を

称えたい。(

日文 非常勤講師 板橋聡美)

行 事 予 定1月 6日(水) 図書館開館

1月 8日(金) 授業開始、ボストン成人式セレモニー

1月 9日(土) 「卒業論文」提出日(10:00~16:00)※

※提出日時が異なる場合があるので、学科の指示に従うこと第41回メンターカフェ「事務職・営業職の本音!」(13:30)

1月12日(火) 月曜代替日、大学院修士論文提出日(14:00~16:00)

1月13日(水) 図書館試験貸出開始(~2/2)、第4回学友会クラス学生総会(15:30)

1月14日(木) 第60回メンターフェア(11:45)

1月15日(金) センター試験準備 4限以降休講

1月16日(土) 大学入試センター試験(1日休講・学内入構不可)

1月17日(日) 大学入試センター試験(学内入構不可)

1月18日(月)大学院2月期入学試験 願書受付開始(~1/26)

1月20日(水) 第61回メンターフェア(11:45)

1月21日(木) 学内合同企業説明会(平成28年3月卒業予定者対象)(12:30)

1月23日(土) A日程試験準備(13:00)(入試で使用する教室への立入禁止)

1月24日(日) A日程試験(入試で使用する建物への入館不可)

1月31日(日)図書館特別開館(9:00~ 16:00)

書道部矢野さん 第六七回毎日書道展で奨励賞受賞

秋桜祭インタビュー秋桜祭インタビュー 小出恵介さん

Q. 秋桜祭にいらした印象は?A.明るく華やかでノリがいいですね!都心の女子大で洗練されていると思いました。

Q. 慶應義塾大学で美学美術史を専攻していたとのことですが、具体的には?A.舞台美術や演劇史に興味がありました。そのあたりは今につながっていると思います。自主映画の製作もしてました。

Q. バスケットボールが得意とのことですが始めたきっかけは?A.小学生から高校生までやっていました。父親の赴任先のインドに家族で住んでいた頃、小中高一貫の日本人学校に通っていました。そこで先輩方がバスケをしている姿が格好よくて始めました。

Q.『のだめカンタービレ』の"ますみちゃん"役はどのように演じられたんですか?A.漫画の原作にもあるように、振り幅が全開な役柄でした。出演者で作品に対するイメージを共有して、振り切って演じました!

Q. 憧れている役者さんは?A.緒形拳さんや市川雷蔵さん、勝新太郎さんなどの往年のスター俳優の方が好きです。

Q. 今挑戦したいことは?A.海外で舞台の仕事をしてみたいです。

有名な俳優さんなので緊張してインタビューに臨みましたが、小出さんは丁寧、かつ、気さくに答えてくださいました。本当に楽しい貴重な時間となりました!

阪本奨悟さん

Q. 秋桜祭にいらした印象は?A.温かくて、清楚なイメージ。遠くの方に手を振ると振り返してくれて、皆さんの温かさを感じました。

Q. 俳優からシンガーソングライターに転身しようと決意されたきっかけは?A.『テニスの王子様』のミュージカルがきっかけで音楽の楽しさを知り、歌への情熱が大きくなりました。

Q. ギターを始めたのはいつ頃から?A.小学校6年生の頃から弾いてました。本格的に始めたのは2、3年前からです。

Q. 曲づくりで大切にされていること、お気に入りの曲は?A.自分のありのままを、弱さも含めて曲を作っています。歌詞には自分の想いがこもっているので、ぜひ全曲聴いていただきたいです。

Q. 休日はどのようなことをなさっていますか?A.本を読んだり、映画を観たりすることが多いです。今は、伊坂幸太郎さんの『ゴールデンスランバー』を読んでいます。伊坂幸太郎さんは、同じThe Beatlesファンということもあって好きな作家さんです。映画のオススメは、『ショーシャンクの空に』です。

Q. 落ち込んだりされた際のリフレッシュ方法は?A.走ったりします。どうしようもない時はふて寝します!(笑)

Q. 大きく影響をうけた方は?A.福山雅治さんや尾崎豊さんを尊敬してます。

Q. 最近、感動したことは?A.料理を上手く作れた時。昨日は生姜焼きを作りました(笑)

ステージでは、会場全体に声をかけてくださった阪本さん。インタビューでは、目標が明確で、意志の強さを感じました。お時間がない中、最後まで質問に答えてくださり、ありがとうございました。

(学報委員 内田恵・戸邉歩美)

秋桜祭インタビュー秋桜祭インタビュー

第一回Jリーグトラッキングデータコンテストで

現代教養学科

有志学生が審査員特別賞を受賞

現代教養学科

有志学生が審査員特別賞を受賞

臨書

木簡「凌胡以次寫傳至廣昌縣便處令都尉」

(寸法二尺×

六尺)

歴文四年

 矢野由希子

創作「落日五湖遊」(寸法二尺×

六尺)

       

歴文三年

 野呂田詩織

創作「明其舊而知其新」(寸法二尺×

六尺)

 

健康三年

 古川

 真子

(左から)牧明音さん、大桃さん、中村美里さん、天

笠邦一専任講師。この他、原奈津季さんが参加した。