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第50回NPO埼管ネットマンション管理組合実践セミナー 給排水設備は、皆様の生活に欠かせない設備です。給排水設備も建物 と同様に適切な維持管理があって安心した生活ができるものです。 このセミナーでは給排水設備にすることをご理解いただき、管理組合 の活動のお役にたてますことを祈念しております。 平成30617給排水設備劣化診断について

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第50回NPO埼管ネットマンション管理組合実践セミナー

給排水設備は、皆様の生活に欠かせない設備です。給排水設備も建物と同様に適切な維持管理があって安心した生活ができるものです。このセミナーでは給排水設備に関することをご理解いただき、管理組合の活動のお役にたてますことを祈念しております。

平成30年 6月 17日

給排水設備劣化診断について

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給排水設備とは

量水器

揚水管排水管

通気管

給水管

※ 現在の分譲マンションの引き住居内の横引き管は殆ど床上配管となり、専有部扱いとなっています。上図のような床下配管は共用部となります。 1

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給水管の劣化は、配管の種類・配管、継手の材料・水質・施工品質・配管環境・維持管理・経年などの要因で違いが出るので、マンション毎にその劣化速度は違うことになります。

劣化が進行すると、給水管に穴があいたり、管が破断したりして、漏水事故が発生し、下階住戸に迷惑をかけることになります。

マンションの給水管には、建築年度により、使用している配管が違いますが、25年以上経過しているマンションの場合、防食型ではない継手が使用されており、築後20年頃より赤水の発生や、漏水事故に至るケースがあります。

劣化要因は種々ありますが、まずは、どの種類の管材料が使用しているかを確認することが重要です。

給水管の問題点

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劣化した給水管

腐食した給水管(量水器廻り)

ネジ部の欠損(量水器廻り)

欠損状況

腐食した給水管(屋上主管) 錆による閉塞(内視鏡により撮影)3

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給水管材と修繕周期

■給水管材リスト及び日本水道協会他制定年度 ■塩ビライニング、ポリエチレンライニング鋼管継手の規格制定年度

管種 制定年度 修繕周期 管種 制定年度 修繕周期

配管用炭素鋼鋼管(白ガス管) 昭和26年 15~20年 樹脂コーティング継手 昭和49年 20~25年

水道用塩化ビニールライニング鋼管 昭和47年 右表より 管端防食コア 昭和55年 25~30年

内外面ライニング鋼管 昭和61年 25~40年 管端防食継手(コア内蔵型継手) 昭和63年 30~40年

水道用ポリエチレンライニング鋼管 昭和57年 右表より 異種金属接続継手 平成4年 30~40年

ステンレス管 昭和57年 30~40年

硬質塩化ビニール管 昭和35年 30~40年

耐衝撃性硬質塩化ビニール管 昭和47年 30~40年

高密度ポリエチレン管 平成16年

架橋ポリエチレン管、ポリブデン管 平成2年

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管材料

亜鉛メッキ鋼管(白ガス管)

塩ビライニング鋼管

塩ビライニング鋼管、コア内蔵型継手

コア内蔵型継手

耐衝撃性塩化ビニール管

ステンレス鋼管 ポリブデン管(住戸内配管用)

コア内蔵型絶縁継手

管端コア

ライニング継手

高密度ポリエチレン管

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排水管の劣化は、排水質・排水配管材料・施工品質・配管環境・維持管理・経年などの要因で違いが出るので、マンション毎にその劣化速度は違うことになります。

劣化が進行すると、排水管に穴があいたり、継手が割れたりして、漏水事故が発生し、下階住戸に迷惑をかけることになります。

マンションの排水管には、塩ビ管と鉄管が使用されているケースが多く、鉄管の場合は、築後20年頃より漏水事故に至るケースがあります。

劣化要因は種々ありますが、まずは、どの種類の管材料が使用しているかを確認することが重要です。

排水管の問題点

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劣化した排水管

腐食した排水管(亜鉛メッキ鋼管)

錆による閉塞(亜鉛メッキ鋼管)

錆による閉塞(亜鉛メッキ鋼管)

腐食した排水管(鋳鉄管) 錆による閉塞(内視鏡により撮影)7

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排水管材と修繕周期

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管材料

亜鉛メッキ鋼管ドレネジ継手(ねじ込み式)

MD継手(フランジ・パッキン式)

排水用塩ビライニング鋼管

排水用鋳鉄管 耐火二層管 消音二層管

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劣化診断の目的

①中長期修繕計画の作成にあたっての資料とする。

→設備全体を把握し、部位ごとの管材料、

設備機器を調査し、耐用年数より調査診断をする。

②改修工事実施に向けた根拠精査のための資料とする

→事故の発生状況、修繕計画の実施年度等により

工事の実施に際し、工事の必要性の根拠とする。

又、居住者の合意形成、工事協力を得るための

資料とする。

劣化診断

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1次診断と2次診断

①1次診断(簡易診断)

書類調査:築後の経過年数、規模、改修履歴等

現場調査:竣工図、パイプシャフト内、機械室内目視調査

聞取り調査:事故履歴、改修履歴等

②2次診断(詳細調査)

内視鏡調査:内視鏡により管内部の調査

抜管調査:劣化部位を抜管(サンプリング)し、内外部を調査

超音波測定調査:超音波測定機により抜管せずに管の外

側から残存肉厚を測定する

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内視鏡調査実施例

【給水管】

【排水管】

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抜管(サンプリング)調査実施例

【給水管】

錆コブ状況

ネジ部の欠損酸洗い後

サンプル管

配管復旧後配管撤去後施工前施工前

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抜管(サンプリング)調査実施例

【排水管】

酸洗い後

ネジ部が欠損し穴が開いている

錆コブ高さ

配管復旧後配管撤去後施工前施工前

サンプル管

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現場調査実施例

高架水槽目視調査 天井部が割れており雨水の侵入がある 水槽下部漏水状況

ポンプ漏水状況

メーター廻り漏水状況排水桝詰り

メーターボックスが小さく改修工事には配管ルート

等の検討が必要

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1.給排水設備改修工事は、大規模修繕工事に次ぐ大工事となります。

計画的な実施により、事故による被害を未然に防ぎ、工事費用の確保をする

ことが重要です。

2.給排水管の劣化は、外壁や鉄部と違い、見えないところで進行し、いざ

漏水事故になると甚大な被害が出ることがあります。

3.同じ築年数でも使用している材料によって耐用年数が違うため、一般の

長期修繕計画表では当てはまらないケースもあります。

まだ工事が必要ないのに工事を実施してしまっているマンションもあります。

4.漏水等が頻発し工事が必要になり、管理組合修繕委員会が工事を企画実施

しても居住者の協力が得られないことがあります。劣化診断により正確な情報

を提示することで居住者の協力が得られやすくなります。(サンプル管の掲示等)

5.劣化診断は、内容、方法によりコストが大きく変わります。

劣化診断に大金をかけても漏水が直るわけではありませんので最小限

で効果的な内容とすることが肝心です。

劣化診断のご提案

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