53
9 【本 編】 1. 調査の目的 「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」(以下「容器包装リサイ クル法」)に基づき、容器包装に使用されたプラスチック類のさまざまな再商品化が行われ ているところである。 容器包装リサイクル法第三条第一項の規定に基づく、「容器包装廃棄物の分別収集及び分 別基準適合物の再商品化の促進等に関する基本方針」の中では「容器包装廃棄物の分別収 集及び分別基準適合物の再商品化の促進等に当たって、容器包装の原料採取、製造、流通、 消費、廃棄、分別収集、再商品化等の全段階における環境への負荷の評価(ライフサイク ルアセスメント(LCA))の手法について、国は、諸外国との連携を踏まえつつ調査研究を 進め、LCA 手法の確立を図るように努め、情報提供を実施することとする。また、事業者 は、各段階における環境への負荷が低減されるよう、各段階における環境への負荷を視野 に入れた製品開発、消費者への情報提供等への活用を図る必要がある。」と、 LCA 手法につ いて調査研究の推進、確立の必要性をうたい、実施結果の提供、活用を求めている。 本調査研究では、容器包装リサイクル法の対象である、ペットボトル及びその他プラス チック製容器包装について、現行の種々の再商品化手法の環境負荷を明らかにするととも に、各手法の環境影響を適切に評価する手法について調査することを目的とする。 2. 再商品化プロセスにかかわるインベントリ 2.1 対象プロセス 「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)」 (以下、「容リ法」という)に規定される再商品化手法のうち、ペットボトルおよびプラスチ ック製容器包装(以下、容リプラという)を対象とした下記のプロセス、これら再商品化 手法により得られた再商品化製品を原料とした利用製品化プロセス、ならびに参考プロセ スとして埋立処理、単純焼却処理およびサーマルリサイクルを取り上げた。 () PET ボトル(ペットボトルに係る分別基準適合物) ① 分別収集-物理(機械)的処理 *1 -フレーク化-繊維原料等 ② 分別収集-化学的処理( DMT)-PET ボトル原料/繊維原料 ③ 分別収集-化学的処理( BHET)-PET ボトル原料 () その他プラスチック(プラスチック製容器包装に係る分別基準適合物) <白色発泡スチロール製食品用トレイ> ① 分別収集-物理的処理 *2 -ペレット化-発泡スチロール製トレイ用原料 <その他プラスチック> ② 分別収集-物理的処理 *1 -ペレット化-プラスチック原料 *1 異物の除去、洗浄、破砕、その他の処理 *2 異物の除去、破砕、その他の処理

【本 編】 - METI11 2.2 インベントリ調査 2.2.1 データ収集 本年度調査においては、マテリアルリサイクル、前年度データが得られなかったPET

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【本 編】

1. 調査の目的 「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」(以下「容器包装リサイ

クル法」)に基づき、容器包装に使用されたプラスチック類のさまざまな再商品化が行われ

ているところである。 容器包装リサイクル法第三条第一項の規定に基づく、「容器包装廃棄物の分別収集及び分

別基準適合物の再商品化の促進等に関する基本方針」の中では「容器包装廃棄物の分別収

集及び分別基準適合物の再商品化の促進等に当たって、容器包装の原料採取、製造、流通、

消費、廃棄、分別収集、再商品化等の全段階における環境への負荷の評価(ライフサイク

ルアセスメント(LCA))の手法について、国は、諸外国との連携を踏まえつつ調査研究を

進め、LCA 手法の確立を図るように努め、情報提供を実施することとする。また、事業者

は、各段階における環境への負荷が低減されるよう、各段階における環境への負荷を視野

に入れた製品開発、消費者への情報提供等への活用を図る必要がある。」と、LCA 手法につ

いて調査研究の推進、確立の必要性をうたい、実施結果の提供、活用を求めている。 本調査研究では、容器包装リサイクル法の対象である、ペットボトル及びその他プラス

チック製容器包装について、現行の種々の再商品化手法の環境負荷を明らかにするととも

に、各手法の環境影響を適切に評価する手法について調査することを目的とする。 2. 再商品化プロセスにかかわるインベントリ 2.1 対象プロセス 「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)」

(以下、「容リ法」という)に規定される再商品化手法のうち、ペットボトルおよびプラスチ

ック製容器包装(以下、容リプラという)を対象とした下記のプロセス、これら再商品化

手法により得られた再商品化製品を原料とした利用製品化プロセス、ならびに参考プロセ

スとして埋立処理、単純焼却処理およびサーマルリサイクルを取り上げた。 (1) PET ボトル(ペットボトルに係る分別基準適合物)

① 分別収集-物理(機械)的処理*1-フレーク化-繊維原料等 ② 分別収集-化学的処理(DMT)-PET ボトル原料/繊維原料 ③ 分別収集-化学的処理(BHET)-PET ボトル原料

(2) その他プラスチック(プラスチック製容器包装に係る分別基準適合物) <白色発泡スチロール製食品用トレイ> ① 分別収集-物理的処理*2-ペレット化-発泡スチロール製トレイ用原料

<その他プラスチック> ② 分別収集-物理的処理*1-ペレット化-プラスチック原料

*1 異物の除去、洗浄、破砕、その他の処理 *2 異物の除去、破砕、その他の処理

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③ 分別収集-物理的処理*3-フラフ化(プラスチック製品中間原料) ④ 分別収集-事前処理*4-高炉還元剤 ⑤ 分別収集-事前処理*4-コークス炉原料炭代替物 ⑥ 分別収集-事前処理*5-油化(熱分解・精製)-炭化水素油 ⑦ 分別収集-事前処理*2-ガス化(熱分解・改質・精製)-化学工業原燃料(水素・

一酸化炭素系ガス) (3) 利用製品化プロセス

① 再生 PET 短繊維 ② 再生 PET ボトル ③ 再生発泡スチロール製白色トレイ ④ 再生発泡スチロール製食品トレイ ⑤ 再生物流パレット ⑥ 合成アンモニア

(4) 参考プロセス ① 埋立処理 ② 単純焼却処理(リサイクルしないケース) ③ サーマルリサイクル: 発電・蒸気、スーパーごみ発電、油化、ガス化、セ

メントキルン燃料化

*3 異物の除去、洗浄、破砕、成形、その他の処理 *4 異物の除去、破砕、脱塩素、検査、分級、その他の処理 *5 異物の除去、破砕、脱塩素

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2.2 インベントリ調査 2.2.1 データ収集 本年度調査においては、マテリアルリサイクル、前年度データが得られなかった PET ボ

トルの化学的処理および代表的な容リプラ利用製品の製造を中心に、表 2-1 に示すように、

ヒアリング、文献等をもとにデータを収集した。製品化プロセスについては、再商品化さ

れた再生原料を用いて一貫生産を実施している事業者を対象とした。

表 2-1 容リプラの再商品化プロセスのインベントリ調査方法 分類 再商品化プロセス 調査方法 備 考

物理的処理-フレーク <繊維原料等>

文献/ヒアリング 3 社 MR

化学的処理(BHET-重合) <PET ボトル原料>

文献/ヒアリング 1 社 CR PET ボト

ル 化学的処理(DMT-TPA-重合)

<PET ボトル原料/繊維原料等> 文献 CR

物理的処理-ペレット化 <PSP トレイ原料>

ヒアリング 1 社 2 工場 MR

物理的処理-ペレット化 <PE・PP 混合プラスチック原料>

ヒアリング 4 社 MR

物理的処理-フラフ化 <PE・PP混合プラスチック原料(中間品)>

ヒアリング 4 社 MR

事前処理 <高炉還元剤> ヒアリング 1 社 CR 事前処理 <コークス炉原料炭代替

物> ヒアリング 1 社 CR

事前処理-油化 <炭化水素油> 文献/ヒアリング 3 社 CR

再商品化プロセス その他プ

ラスチック

事前処理-ガス化 <化学工業原

燃料> ヒアリング 2 社 CR

ポリエステル短繊維 文献

PET ボトル 文献

発泡スチロールトレイ ヒアリング 1 社 白色、食

品用

物流パレット ヒアリング 3 社

利用製品化プロセス

その他プ

ラスチック

合成アンモニア ヒアリング 1 社 埋立処理 文献 単純焼却処理 文献

発電・蒸気 文献 TR スーパーごみ発電 文献 TR 油化 ヒアリング 1 社 TR

参考プロセス

サーマル

セメントキルン 文献/ヒアリング 1 社 TR 注)イタリック表示は前年度調査データを見直し

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2.2.2 システム境界 再商品化プロセスについては、容リプラ・ベールが再商品化事業者の処理施設に搬入さ

れてから容リ法に規定されている再商品化製品となるまでをシステム境界とした。高炉原

料化およびコークス原料炭代替化では造粒までの事前処理を対象とした。 利用製品化プロセスについては、再商品化製品を原料として製品(以下、容リプラ利用

製品という)となるまでを範囲とした。高炉還元剤の高炉利用、原料炭代替物のコークス

炉利用は利用製品化とした。なお、この場合、再商品化と利用製品化は同一工場で行われ

ており、輸送は構内輸送として含まれていると考えてよい。

表 2-2 インベントリにかかわるシステム境界 分 類 再商品化プロセス システム境界 再生製品

PET フレーク化 搬入~破砕・洗浄・選別 再生 PET フレーク 原料モノマー化

(BHET) 搬入~破砕・選別~解重合~重

合 再生 PET 樹脂

PET ボトル

原料モノマー化

(DMT-TPA) 搬入~破砕・選別~解重合~重

合 再生 PET 樹脂

PS ペレット化 搬入~破砕・洗浄・選別~造粒 再生 PS ペレット PO ペレット化 搬入~破砕・洗浄・選別~造粒 再生 PO ペレット PO フラフ化 搬入~破砕・洗浄・選別~造粒 再生 PO フラフ 高炉原料化 搬入~破砕・選別~造粒 高炉還元剤 コークス原料炭

代替化 搬入~破砕・選別~造粒 原料炭代替物

油化 搬入~破砕・選別~熱分解・分留 炭化水素油

再商品化プロセス

その他プラ

スチック

ガス化 搬入~破砕~ガス化~精製 合成ガス 発泡スチロール

トレイ (PS ペレット)シート成形~

トレイ成形、端材ペレット化 再生PSPトレイ

物流パレット (PO フラフ)パレット成形 再生物流パレット 合成アンモニア (合成ガス)水蒸気改質・精製

~アンモニア合成 合成アンモニア

高炉利用 (造粒品)~高炉利用 (高炉還元剤)

利用製品化プロセス

その他プラ

スチック

コークス炉利用 (造粒品)~コークス炉利用 コークス、炭化水素

油、ガス(COG) 埋立処理 (搬入)~輸送~埋立

単純焼却 (搬入)~焼却~輸送~埋立 焼却処理 発電/スーパー

発電 (搬入)~焼却発電~輸送~埋立

油化 搬入~油化~サーマル利用 ガス化 搬入~ガス化~サーマル利用 RPF 搬入~RPF 製造~サーマル利用

参考プロセス

サーマル

セメントキルン 搬入~破砕~脱塩素~燃焼 注)利用製品化プロセスとして、上記以外に繊維化、PET ボトル化あり。

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2.2.3 インベントリの算出 容リプラの再商品化プロセスにかかわるインベントリを、容リプラ 1 kg および再商品化

製品 1 kg(または Nm3)あたりで算出した。 ヒアリング調査においては、調査票に基づいてデータを収集したが、必ずしも工程別の

データが得られず、また、副資材や環境負荷に関するデータが入手できない場合があった。 インプットについては、収集したデータを原材料、副資材、消耗品および梱包資材等に

分けて整理した。ただし、後述の環境負荷を資源採取まで遡及して求める LCI の算出にあ

たっては、それぞれの物質について遡及している。 アウトプットについては、表 2-3 に示すように、再商品化製品、副生品および廃棄物に分

けて整理した。再商品化製品とは容リ法で認めている製品とし、副生品とは再商品化製品

以外で基本的には有償で取り扱われるもの、廃棄物とは外部に廃棄処理が委託されるもの

とした。ただし、副生品であっても廃棄処理されている場合もあり、再商品化製品以外を

残渣として考察した。 表 2-3 アウトプットの整理

残渣(再商品化製品以外) 手法 再商品化製品

副生品 廃棄物

マテリアルリサイクル PET フレーク、色つき PET フレーク PS ペレット PO ペレット/フラフ、PS インゴット

PP キャップ・ラベル、カラー

ボトル、RPF など

ケミカルリサイクル 高炉還元剤、原料炭代替物、

炭化水素油、合成ガス スラグ、メタル、回収塩酸、

硫黄、油化残渣など

廃棄処理を委

託しているも

ので、焼却ある

いは埋立処理

される インベントリの集計は、同一の手法について複数のデータがある場合には、処理量ある

いは生産量に応じて加重平均した。この際、原材料およびエネルギーについては使用して

いないものは‘ゼロ’として扱ったが、副資材や環境負荷において明らかに使用している

がデータが得られなかったような場合には、‘データなし’として平均化の対象から外した。

したがって、データが得られない場合には平均値を用いていることになる。 なお、インベントリの算出にあたって、受入れベールの品質が異なることから、その影

響を受ける解砕・選別・乾燥など事前処理の工程と本処理工程とを分離して算出し、各工

程のインベントリを積み上げることも考えられたが、すべてのプロセスについてデータの

収集が困難であったため、全工程のインベントリとして集計した。したがって、それぞれ

の再商品化プロセスに投入されるベールの品質の影響を受けていることに注意を要する。 一方、原材料、電力、燃料などの製造にかかわる環境負荷を資源採取段階まで遡及した

結果を LCI(全遡及)として算出した。これにはバックグラウンドデータを用いるが、主

に NIRE-LCA 付属のデータ、LCA プロジェクトデータベースおよびプラスチック処理促進

協会のデータを使用した。なお、水消費および水圏排出物に関するバックグラウンドデー

タは必ずしも十分でなく、参考値である。また、エネルギーについては、エネルギー資源

の消費という観点からフィードストックエネルギーを含むものである。

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2.2.4 再商品化および利用製品化プロセスのインベントリ (1) マテリアルリサイクル

PET ボトルおよびその他プラスチックのマテリアルリサイクルの容リプラ・ベール 1kgあたりのインベントリ(平均値)を表 2-4 およびを図 2-1 に示す。

表 2-4 マテリアルリサイクルによる再商品化プロセスのインベントリ(資源採取まで遡及)

0.0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1.0

再生PETフレーク 再生白色PSペレット 再生POペレット 再生POフラフ

環境

負荷

(kg

-C

O2, g-

NO

x, g

-S

Ox/

kg-pl

astic)

CO2

NOxSOx

Energy

環境

負荷

(M

J/kg

-pla

stic

)

10.0

9.0

8.0

7.0

6.0

5.0

4.0

3.0

2.0

1.0

0.0

図 2-1 マテリアルリサイクルによる再商品化プロセスのインベントリ

再生PETフレーク再生白色PSペレット再生POペレット** 再生POフラフ

資源消費 石炭 kg 0.016 0.051 0.009 0.028石油 kg 0.049 0.059 0.017 0.036天然ガス kg 0.009 0.026 0.005 0.013ウラン鉱石 kg 0.000 0.000 0.000 0.000水 kg 3.340 4.504 1.414 1.988

エネルギーエネルギー消費(計) MJ 3.656 7.047 4.558 3.988  サイト(電力以外) MJ 1.389 0.000 0.343 0.288  サイト(電力、自家発を含む) MJ 2.205 6.939 4.127 3.623  原材料 MJ 0.000 0.000 0.000 0.000  副資材等 MJ 0.063 0.108 0.089 0.077

製品(再生品) kg 0.755 0.808 0.553 0.546残渣等 副生品・残渣等(計) kg 0.245 0.000 0.442 0.430

  埋立処理 kg 0.093 0.000 0.442 0.164  焼却処理 kg 0.000 0.000 0.000 0.223  再資源化(副生品) kg 0.152 0.000 0.000 0.043

大気圏排出CO2 (計) kg 0.227 0.942 0.332 0.319  CO2 サイト(自家発分を含む) kg 0.096 0.468 0.202 0.020  CO2 電力(自家発を除く) kg 0.128 0.402 0.070 0.210  CO2 原材料 kg 0.000 0.070 0.057 0.083  CO2 副資材等 kg 0.003 0.002 0.002 0.006NOx kg 0.000 0.000 0.001 0.000SOx kg 0.000 0.001 0.000 0.000PM kg 0.000 0.000 0.000 0.000

水圏排出物BOD kg 0.000 0.000 0.000 0.000COD kg 0.000 0.000 0.000 0.000SS kg 0.000 0.000 0.000 0.000

固形廃棄物 kg 0.000 0.000 0.000 0.000* 再生品には色つきPSペレットを含む ** 再生品には色つきPSインゴットを含む*** 副資材のデータについては、PETフレークのデータをPSペレット、POペレット/フラフに適用。イタリック体は内訳を示す。

イ ン プ 

ッ ト

ア ウ ト プ 

ッ ト

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再生 PS ペレットにおいて CO2 排出量およびエネルギー消費が多いが、これは発泡スチ

ロールのかさ密度が小さく、電力消費が大きいことおよび可燃残渣を工場内で焼却処理し

ているためである。なお、NOx および SOx はバックグラウンドデータも含めてばらつきが

大きく、参考値である。 現在は再商品化手法として規定されていないが、容リプラそのもの、あるいは残渣を造

粒し、固形燃料(RPF)かする方法がある。また、プラスチックは高発熱量であることよ

り、ごみの固形燃料(RDF)化の熱量調整にも使われている。参考までに、その他プラス

チックの RPF 化のインベントリを表 2-5 に示す。

表 2-5 容リプラの RPF 化のインベントリ(資源まで遡及)

RPF容リ・プラスチック kg 1.000

資源消費 石炭 kg 0.020石油 kg 0.022天然ガス kg 0.016ウラン鉱石 kg 0.000水 kg 1.864

エネルギー消費 エネルギー消費(計) MJ 2.990製品(再生製品) 固形燃料(RPF) kg 0.900大気圏排出物 CO2 kg 0.171

NOx kg 0.00013SOx kg 0.00013PM kg 0.000

水圏排出物 BOD kgCOD kgSS kg

固形廃棄物 不燃残渣 kg 0.006

インプ

ット

アウトプ

ット

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(2) ケミカルリサイクル PET ボトルおよびその他プラスチックのケミカルリサイクルの容リプラ・ベール 1kg あ

たりのインベントリを(平均値)を表 2-6 および図 2-2 に示す。PET 化学分解法(モノマ

ー化)、油化およびガス化については平均値とした。

表 2-6 ケミカルリサイクルによる再商品化プロセスのインベントリ(資源採取まで遡及)

図 2-2 ケミカルリサイクルによる再商品化プロセスのインベントリ

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

化学分解法 高炉還元剤 原料炭代替物 油化 ガス化

環境

負荷

(kg

-C

O2, g-

NO

x, g

-SO

x/kg

-pla

stic

)

CO2

NOx

SOxEnergy

40.0

35.0

30.0

25.0

20.0

15.0

10.0

5.0

0.0

環境

負荷

(M

J/kg

-pl

astic)

再商品化手法 化学分解法 高炉原料化 原料炭代替化 油化 ガス化再商品化事業者 2社平均 J社 S社 3社平均 2社平均

主な再生品 B-PET樹脂 高炉還元剤 原料炭代替 炭化水素油 合成ガス石炭 kg 0.026 0.015 0.016 0.027 0.067石油 kg 0.431 0.024 0.018 0.063 0.257天然ガス kg 0.107 0.007 0.008 0.014 0.039ウラン鉱石 kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000水 kg 28.219 0.124 0.000 1.696 11.715エネルギー消費(計) MJ 26.308 2.344 2.197 5.164 17.590  サイト(電力以外) MJ 16.292 0.362 0.000 1.477 7.621  サイト(電力、自家発を含む) MJ 9.256 1.982 2.197 3.651 6.344  原材料 MJ 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000  副資材等 MJ 0.760 0.000 0.000 0.036 3.626製品(再生品) kg 0.846 0.762 0.894 0.302 2.572副生品・残渣等(計) kg 0.154 0.138 0.106 0.219 0.106  埋立処理 kg 0.104 0.025 0.053 0.047 0.035  焼却処理 kg 0.000 0.113 0.053 0.162 0.000  再資源化(副生品) kg 0.050 0.000 0.000 0.010 0.070CO2 (計) kg 1.724 0.141 0.127 1.418 1.138  CO2 サイト(自家発分を含む) kg 1.440 0.025 0.000 1.206 0.027  CO2 電力(自家発を除く) kg 0.169 0.115 0.127 0.211 0.367  CO2 原材料 kg 0.100 0.001 0.000 0.000 0.000  CO2 副資材等 kg 0.016 0.000 0.000 0.000 0.744NOx kg 0.003 0.000 0.000 0.002 0.002SOx kg 0.003 0.000 0.000 0.001 0.001PM kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000BOD kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000COD kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000SS kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000固形廃棄物 kg

インプ

ット

アウトプ

ット

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17

高炉還元剤および原料炭代替化については、破砕・選別・造粒などの事前処理(主とし

て脱塩素のため)のみが容リ法で規定する範囲であり、マテリアルリサイクルの事前処理

と同程度である。油化において CO2 排出量が高くなっているが、これは生成油(炭化水素

油)の一部をプロセスのエネルギーとして自家消費しているためである。

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(3) 利用製品化プロセス 容リ法に規定されている再商品化による再生原燃料の評価にあたって、燃料利用につい

ては発熱量ベースで考えることができるが、原料利用についてはその品質が問題となる。 再生原料の主要な用途を表 2-7 に示すが、本調査では、容リプラ利用製品が新規製品と同

等に扱われている製品として、物流パレット、PSP トレイおよび合成アンモニアを取り上

げ、そのインベントリを調査した。また、高炉還元剤および原料炭代替物については、造

粒以降の高炉およびコークス炉での使用時について検討した。

表 2-7 容リプラ再商品化製品(再生原料)の主要な用途 分 類 再商品化プロセス 再商品化製品の主要な用途 新規材代替性

PET フレーク化 繊維、シート、ボトル、成形品 用途に応じて汎用

樹脂を代替 PET ボト

ル 原料モノマー化 ボトル、繊維 PET 樹脂代替 PS ペレット化 トレイ(白色、食品用)、魚箱、

家電製品ケーシング 用途に応じて汎用

樹脂を代替 PO ペレット化 パレット、容器、土木・建築材 一部代替、新用途 PO フラフ化 パレット、容器 一部代替、新用途 高炉原料化 高炉還元剤 一部代替 原料炭代替化 コークス原料炭代替 一部代替 油化 燃料 燃料代替

再商品化プロセス

そ の 他 プ

ラ ス チ ッ

ガス化 化学製品(アンモニア)、燃料 代替 注)アンダーラインは本調査で対象とした製品

食品用再生 PSP トレイ成形加工および再生 PO パレット成形加工のインベントリを再生

製品(再生トレイ、再生パレット)1kg あたりで算出した結果を表 2-8 および図 2-3 に示す。

これらは容リプラ利用製品に対する値であるが、新規製品の場合も質量に関係なく成形加

工エネルギー等は同一と考えてよい。 トレイ成形では PS 樹脂を EPS シートに成形し、これをトレイに成形する。食品用再生

PS とレイでは食品安全衛生上、トレイ成形時に PS ラミネート処理を施す。インベントリ

にはこのシート成形、トレイ成形(ラミネート化)およびトレイ端材を再利用するための

ペレット化を含んでいるが、ラミネートフィルムのインベントリは含めていない。発泡し

てかさ密度が小さくなっているため、質量あたりの成形時のエネルギー消費も大きい。な

お、食品用以外の白色 PSP トレイは、成形時のラミネート処理を行わないだけで、インベ

ントリは変わらない。 パレット成形のインベントリについては、PO フラフ以外に PO ペレットおよび成形法の

違いから新規ペレットを配合しているデータを含んでいる。参考までに、容リプラのみを

原料として使用している工場(R 社)のデータをあわせて示したが、差はほとんど無い。

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19

表 2-8 トレイ成形加工およびパレット成形加工の成形品 1kg あたりのインベントリ (資源採取まで遡及)

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

PSPトレー成形 POパレット成形(3社平均)

POパレット成形(R社)

環境

負荷

(kg

-CO

2, g-

NO

x, g

-SO

x/pro

duct

)

CO2

NOx

SOx

Energy

環境

負荷

(M

J/pro

duct)

80.0

70.0

60.0

50.0

40.0

30.0

20.0

10.0

0.0

図 2-3 トレイ成形加工およびパレット成形加工の製品 1kg あたりのインベントリ

プロセス再生PSPトレー

成形加工再生POパレッ

ト成形加工再生POパレッ

ト成形加工機能単位 トレー ikg パレット 1kg パレット 1kg出所 1社 3社平均 R社

資源消費 石炭 kg 0.000 0.060 0.063石油 kg 0.000 0.147 0.119天然ガス kg 0.000 0.030 0.031ウラン鉱石 kg 0.000 0.000 0.000水 kg 0.000 2.995 2.251

エネルギー消費 エネルギー消費(計) MJ 20.231 7.860 4.886  サイト(電力以外) MJ 0.000 0.000 0.000  サイト(電力、自家発を含む) MJ 18.969 5.116 4.886  原材料 MJ 0.000 2.744 0.001  副資材等 MJ 1.261 0.000 0.000

製品(再生品) kg 1.000 1.000 1.000残渣等 副生品・残渣等(計) kg 0.000 0.000 0.000

  埋立処理 kg 0.000 0.000 0.000  焼却処理 kg 0.000 0.000 0.000  再資源化(副生品) kg 0.000 0.000 0.000

大気圏排出物 CO2 (計) kg 1.167 0.700 0.653  CO2 サイト(自家発分を含む) kg 0.043 0.000 0.000  CO2 電力(自家発を除く) kg 1.098 0.296 0.283  CO2 原材料 kg 0.000 0.404 0.370  CO2 副資材等 kg 0.026 0.000 0.000NOx kg 0.001 0.001 0.001SOx kg 0.001 0.001 0.001PM kg 0.000 0.000 0.000

水圏排出物 BOD kg 0.000 0.000 0.000COD kg 0.000 0.000 0.000SS kg 0.000 0.000 0.000

固形廃棄物 kg 0.000 0.000 0.000

インプ

ット

アウトプ

ット

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20

ケミカルリサイクルとしてのガス化による合成ガスからのアンモニア合成、プラスチッ

ク粒の高炉への利用および原料炭代替物からのコークス製造のインベントリを表 2-9 およ

び図 2-4 に示す。合成ガス 1Nm3、廃プラ粒 1kg あたりで示した。 表 2-9 合成アンモニア製造、高炉利用およびコークス炉利用のインベントリ

(資源採取まで遡及) 再生原料 1kg(Nm3)あたり

図 2-4 アンモニア製造、高炉利用およびコークス炉利用のインベントリ

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.2

1.4

1.6

1.8

2.0

合成ガス 高炉利用 コークス炉利用

エネ

ルギ

ー (M

J/N

m3-

gas)

CO2

NOx

SOx

Energy

エネ

ルギ

ー (

MJ/kg

-gr

anule

)

環境

負荷

(kg

-C

O2, g-

NO

x, g

-S

Ox/

Nm

3-ga

s)

30.0

25.0

20.0

15.0

10.0

5.0

0.0

環境

負荷

(kg

-C

O2, g-

NO

x, g

-S

Ox/

kg-gr

anule

)

3.0

2.5

2.0

1.5

1.0

0.5

0.0

0.30

0.25

0.20

0.15

0.10

0.05

0.0

製品化プロセス 合成アンモニア 高炉使用 コークス炉使用資源消費 石炭 kg 0.046 0.003 0.001

石油 kg 0.078 0.010 0.001天然ガス kg 0.252 0.002 0.000ウラン鉱石 kg 0.000 0.000 0.000水 kg 76.582 0.000 0.000

エネルギー消費 エネルギー消費(計) MJ 17.924 0.729 0.407  サイト(電力以外) MJ 13.645 0.312 0.335  サイト(電力、自家発を含む) MJ 6.292 0.418 0.073  原材料 MJ 0.000 0.000 0.000  副資材等 MJ -2.014 0.000 0.000

残渣等 副生品・残渣等(計) kg 0.000 0.000 0.000  埋立処理 kg 0.000 0.000 0.000  焼却処理 kg 0.000 0.000 0.000  再資源化(副生品) kg 0.000 0.000 0.000

大気圏排出物 CO2 (計) kg 1.039 0.046 0.090  CO2 サイト(自家発分を含む) kg 0.661 0.021 0.086  CO2 電力(自家発を除く) kg 0.364 0.024 0.004  CO2 原材料 kg 0.014 0.001 0.000  CO2 副資材等 kg 0.000 0.000 0.000NOx kg 0.001 0.000 0.000SOx kg 0.001 0.000 0.000PM kg 0.000 0.000 0.000

水圏排出物 BOD kg 0.000 0.000 0.000COD kg 0.000 0.000 0.000SS kg 0.000 0.000 0.000

固形廃棄物 kg

インプ

ット

アウトプ

ット

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3. 各種再商品化手法の LCI 分析 3.1 対象システム

2.1 項に示した容リプラの再商品化プロセス、再商品化製品を用いた利用製品化プロセス

および参考プロセスを対象に、2.2 項で求めたインベントリデータおよびバックグラウンド

データを用いてリサイクル効果を評価した。対象としたシステムを表 3-1 に示す。

表 3-1 インベントリ分析の対象としたシステム 記号 種 類 対象システム 備 考 A-1 フレーク化 → <繊維原料> MR A-2

PETボ

トル 化学的処理 → <PET ボトル原料> CR B-1 ペレット化 → <PSP トレイ原料> MR B-2 ペレット化 → <プラスチック原料(PO)> MR B-3 事前処理 → <高炉還元剤> CR B-4 事前処理 → <原料炭代替物> CR B-5 事前処理 → 油化 → <炭化水素油> CR B-6

その他

プラス

チック

事前処理 → ガス化 → <合成ガス> CR C-1 PET ボトルフレーク化 → 繊維化 → <原料繊維> MR C-2 PET ボトル化学的処理 → ボトル成形 → <PET ボトル> CR C-3 PS ペレット化 → 成形 → <再生 PSP トレイ> MR C-4 PO フラフ化 → 成形 → <再生物流パレット> MR C-5 事前処理 → <高炉還元剤> → 高炉利用 CR C-6 事前処理 → <原料炭代替物> → コークス炉利用 CR C-7

利用製

品化

事前処理 → ガス化 → 合成 → <合成アンモニア> CR D-1 埋立処理 D-2 単純焼却処理 D-3 焼却・発電 TR D-4 焼却・スーパーごみ発電 TR D-5 油化サーマル TR D-6 ガス化サーマル TR D-7

参考プ

ロセス

セメントキルン・脱塩素 TR 3.2 システム境界

システム境界は、目的に即して最適な設定を行う必要がある。 本調査の目的は、容リ法により適正処理される容リプラのリサイクル効果について評価

することであり、システム境界は廃棄およびリサイクルに限定することが妥当であると考

え、前年度と同様に、図 3-1(a)のように設定した。しかしながら、前年度報告書に指摘

されたように再商品化手法により得られる再商品化製品の適切な評価が求められており、

図 3-1(b)のように、その範囲をそれら再商品化製品を原料に用いた利用製品化まで拡張

して評価を試みた。なお、容リプラ(ベール)の自治体等から再商品化施設に搬入するま

での輸送は対象外とし、再商品化施設に搬入されてから再商品化製品あるいは容リプラ利

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用製品製造までをシステム境界とした。

図 3-1 本調査におけるシステム境界

各商品化プロセスのシステム境界を表 3-2 および 3-3 に示す。

表 3-2 再商品化プロセスのシステム境界 再商品化手法 リサイクルプロセス 代替(新規)プロセス PET ボトル

-MR ・搬入ベール~再生処理~PET フレーク ・残渣処理*

・ 搬入ベール~単純焼却~埋立 ・ 原油~PET 樹脂製造

白色PSP トレ

ー -MR ・搬入ベール~再生処理~PS ペレット ・残渣処理*

・ 搬入ベール~単純焼却~埋立 ・ 原油~PS 樹脂製造

その他プラ -MR

・搬入ベール~再生処理~PO ペレット ・残渣処理*

・ 搬入ベール~単純焼却~埋立 ・ 原油~PE/PP 樹脂製造

PET ボトル -CR

・搬入ベール~モノマー化**~PET 樹脂 ・残渣処理*

・ 搬入ベール~単純焼却~埋立 ・ 原油~PET 樹脂製造

その他プラ -CR

・搬入ベール~事前処理~還元剤*** ・石炭~高炉ガス ・残渣処理*

・ 搬入ベール~単純焼却~埋立 ・ 石炭~コークス

その他プラ -CR

・搬入ベール~事前処理~原料炭代替物

~コークス炉~コークス・COG・化成品*** ・残渣処理*

・ 搬入ベール~単純焼却~埋立 ・ 石炭~原料炭 ・ 原油~COG・化成品(重油換算)

その他プラ -CR

・搬入ベール~油化~炭化水素油 ・残渣処理*

・ 搬入ベール~単純焼却~埋立 ・ 原油~炭化水素油

その他プラ -CR

・搬入ベール~ガス化~合成ガス ・残渣処理*

・ 搬入ベール~単純焼却~埋立 ・ 原油~合成ガス

その他プラ -TR(参考)

・搬入ベール~油化~燃焼 ・残渣処理*

・ 搬入ベール~単純焼却~埋立 ・ 原油~燃焼

その他プラ -TR(参考)

・搬入ベール~ガス化~燃焼 ・残渣処理*

・ 搬入ベール~単純焼却~埋立 ・ 石炭~燃焼

その他プラ -TR(参考)

・搬入ベール~セメント燃料化~燃焼 ・残渣処理*

・ 搬入ベール~単純焼却~埋立 ・ 石炭/原油~燃焼

* 残渣処理:埋立処理、焼却処理(発電あり/なし)、再資源化(RDF、プラスチック原料、プラスチッ

ク廃棄物(CR)) ** モノマー化:BHET、DMT

*** 製品性状が異なるため、実質的に利用製品化までを含んだ評価となる。

資源採掘 製造 使用 収集・減容 再商品化 廃棄

資源採掘 製造 使用 収集・減容 再商品化 廃棄 (b)

(a)

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表 3-3 利用製品化を含めた再商品化プロセスのシステム境界 再商品化手法 リサイクルプロセス 代替(新規)プロセス PET ボ ト ル

-MR ・搬入ベール~再生処理~PET フレーク

~再生 PET 短繊維 ・残渣処理*

・ 搬入ベール~単純焼却~埋立 ・ 原油~PE 繊維チップ~PE 短繊

維 PET ボ ト ル

-CR ・搬入ベール~化学的処理~PET 樹脂

~再生 PET ボトル ・残渣処理*

・ 搬入ベール~単純焼却~埋立 ・ 原油~PET 樹脂~PET ボトル

白色PSP トレ

ー -MR ・搬入ベール~再生処理~PS ペレット

~白色/食品用再生 PSP トレイ ・残渣処理*

・ 搬入ベール~単純焼却~埋立 ・ 原油~PS 樹脂~PSP トレイ

その他プラ -MR

・搬入ベール~再生処理~PO ペレット ~再生物流パレット

・残渣処理*

・ 搬入ベール~単純焼却~埋立 ・ 原油~PP 樹脂~物流パレット

その他プラ -CR

・搬入ベール~事前処理~還元剤** ・石炭~高炉ガス ・残渣処理*

・ 搬入ベール~単純焼却~埋立 ・ 石炭~コークス

その他プラ -CR

・搬入ベール~事前処理~原料炭代替物 ~コークス炉~コークス・COG・化成品**

・残渣処理*

・ 搬入ベール~単純焼却~埋立 ・ 石炭~原料炭 ・ 原油~COG・化成品(重油換算)

その他プラ -CR

・搬入ベール~ガス化~合成ガス~アンモ ニア

・残渣処理*

・ 搬入ベール~単純焼却~埋立 ・ 原油~アンモニア合成~アンモニア

3.3 機能単位 本調査では、容リ法でいうペットボトルおよびプラスチック製容器包装に係る分別基準

適合物を再商品化することを機能とし、分別基準適合物 1 kg を機能単位とする。また、再

商品化製品を原料に用いた利用製品化については、再商品化製品 1kg あるいは容リプラ利

用製品の実用単位を機能単位とした。 3.4 評価シナリオ

リサイクル効果の評価にあたっては、表 2-3 に示したような再商品化プロセスで産出され

る再商品化製品および副生品をどのように評価するかが課題である。すなわち、再商品化

製品が新規材による製品と全く同等に扱われる場合、あるいは品質性能などから利用量や

収率などに制約を受ける場合が考えられる。 本調査では、再商品化製品が同等の原料あるいは燃料を代替することを基本とし、3.6 項

で述べるように、利用の実態に即して評価する方法をとった。 比較対象となる容リプラの廃棄処理については単純焼却処理とした。また、これとの整

合性をはかるため、再商品化プロセスで発生する残渣のうち、埋立処理分については焼却

処理するものとして比較した。

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3.5 前提条件 インベントリ分析の実施にあたり、再商品化プロセスについては 2.2 項で調査したインベ

ントリを使用するが、調査データ、文献データによってはデータの収集範囲が必ずしも同

一ではない。そこで、以下のような前提条件を設けた。 (1) 容リプラの品質 再商品化施設に搬入される容リプラのベールの品質は、引き取り品質ガイドラインは設

けられているものの、実際にはかなりのばらつきがある。また、再商品化プロセスによっ

て受入れ可能なベール品質も異なる。そのため、インベントリに対するベール品質の影響

を把握する必要があるが、品質について分析、管理されている例はそれほど多くない。 前年度の調査結果では、ばらつきはあるものの、水分 10%前後、塩ビ 3~5%程度、発熱

量 6,000~9,400 kcal/kg であり、平均的にはそれほど大きな違いはないと考えられたこと

から、ベール品質が反映される残渣の量、性状で以って評価した。 (2) 容リプラの燃焼時の CO2排出量

容リプラの焼却処理においては単一のプラスチックを焼却することはなく、焼却にとも

なう CO2排出量を求めるには、その成分構成が必要となる。 ここでは前年度調査したプラスチック包装資材・容器の原材料別・製品別出荷数量から求

めた材料構成比をもとに算出した CO2排出原単位を用いた。 PET ボトルを除いた構成比をもとに算出した CO2排出原単位を表 3-4 に示す。ここに示

した値は、プラスチックがすべて完全燃焼した場合に理論的に発生する量であり、実際に

は未燃焼の残留炭素(煤など)などが考えられるが、ここでは無視した。いっぽう、実際

の受け入れベールには水分や異物の混入がある。本調査において収集したデータは、これ

ら受入れベールをもとにした実績値であり、インベントリの集計もこれらを基準としたた

め、容リ・その他プラスチックの CO2排出原単位については、水分、異物等を 10%と仮定

して、 2.696 kg-CO2/kg-容リプラ とした。水分、異物等の熱量、CO2排出量は無視した。

表 3-4 容リプラの CO2排出原単位

分子式 LHV (kcal/kg)

C 含有量 (%)

CO2排出量 (kg-CO2/kg)

構成比 (%)

構成比× CO2排出量

PE C2H4 11,000 85.7 3.1423 42.3 1.329 PP C3H6 10,500 85.7 3.1423 20.0 0.628 PVC C2H3Cl 4,300 39.1 1.4337 2.7 0.039 PS C3H8 9,600 92.3 3.3843 21.8 0.738 PET C10H8O4 5,500 62.5 1.7904 11.3 0.202 EVA C2H4-C4H6O2 9,200 62.5 3.0323 2.0 0.061

平 均 9,762 2.995 容リ・その他プラスチック中水分、異物等を 10%と仮定→ 2.696

PET ボトル 5,500 0.202 PSP トレイ 9,600 0.738

出典: プラスチック処理促進協会

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一方、その他プラスチックのマテリアルリサイクルでは、多量の残渣が発生する。残渣

の性状について、調査結果を参考に再商品化製品として PE、PP のほかに PS インゴット

を 6%回収し、再商品化製品の回収率を 50%として、その残渣の構成比を求め、表 3-5 に示

すように発熱量および CO2 排出原単位を算出した。残渣の評価にあたっては、この数値を

使用する。 表 3-5 その他プラスチックのマテリアルリサイクル残渣の発熱量および CO2排出原単位

構成比 (%)

再商品化

製品量* (kg)

残渣量* (kg)

残渣 構成比(%)

発熱量 (kcal/kg)

CO2排出量 (kg-CO2/kg)

PE 42.3 0.319 0.104 20.7 11,000 3.142 PP 20.0 0.151 0.049 9.8 10,500 3.142 PVC 2.7 0.027 5.4 4,300 1.434 PS 21.8 0.030 0.188 37.5 9,600 3.384 PET 11.3 0.113 22.6 5,500 1.790 EVA 2.0 0.020 4.0 9,200 3.032 平均 8,752 2.832 容リ・その他プラスチック中水分、異物等を 10%と仮定→ 7,877 2.549

* 容リプラ 1kg に対する再商品化製品回収率 50%とした時の量。回収再商品化製品は PE、PP、PS(6%)

とする

(3) サーマルリサイクルにおける発電効率 参考プロセスとしてサーマルリサイクルを評価するが、その際、発電効率が問題となる。

近年の技術開発により、廃棄物発電の発電効率は上昇しており、スーパーごみ発電など、

最新設備では 20%を越すものも出現している。現在、稼働中のごみ発電およびスーパーご

み発電について、処理量および発電能力より算出した。また、自家発電については、石油

等消費動態統計より求めた。これらの発電効率を表 3-6 に示す。

表 3-6 ごみ発電、スーパーごみ発電および自家発電の発電効率 ごみ発電 スーパーごみ発電 自家発電(平均)

発電効率 9.6% 27.0% 19.6% (4) 輸送の取り扱い 本調査では、容リプラ(ベール)の再商品化施設への搬入以降をシステム境界としたた

め、ベールの輸送は考慮していない。再商品化施設内または施設間の輸送は構内輸送とし

て扱い、インベントリデータに織り込んだ。いっぽう、埋立処理について、処分場までの

輸送はそれぞれの立地条件により異なるため、ここでは文献などをもとに、4t トラックに

より 30km 輸送するとした。

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(5) バックグラウンドデータ ライフサイクルインベントリ(LCI)分析では、環境負荷を資源採取まで遡及する必要が

あり、バックグラウンドデータを使用する。本調査では、主として NIRE-LCA Ver.3 付属

データベース、LCA プロジェクトのデータベースのほか、プラスチックに関しては引用デ

ータとの整合性からプラスチック処理促進協会による値を用いた。なお、一部の文献によ

るインベントリはライフサイクルデータとなっており、これらはそのまま使用した。 3.6 リサイクル評価 再商品化プロセスによるリサイクル効果を評価するには、再商品化製品および副生品を

適切に評価する必要がある。本調査では、つぎのような考えで実施した。 ① システム境界を拡張し、配分(アロケーション)を避けてインベントリ分析を行

う。 ② マテリアルリサイクルにより製造される再商品化製品の環境負荷については、同

等の製品と代替評価する。 すなわち、図 3-2 に示すように、リサイクルを実施した場合(リサイクルシステム)に対

して、リサイクルを実施しない場合(代替システム)を廃棄処理(焼却・埋立)と再商品

化製品相当品の新規原料からの製造にかかわる環境負荷があるものとし、その差をリサイ

クル効果とした。すなわち、図の網掛けの部分(太枠のプロセス)の差がリサイクル効果

となる。

図 3-2 リサイクル効果の評価の概念図(再商品化) 再商品化製品を使用した容リプラ利用製品についても同様に扱った。すなわち、図 3-3

に示すように、容リプラ利用製品におよびこれに相当する製品製造の環境負荷がそれぞれ

加算される。

資源採掘 素材製造 使 用

再商品化

製品製造

再商品化製品

資源採掘 素材製造 使 用 製品製造

再商品化製品(相当)

廃 棄

素材製造 資源採掘 +

リサイクルあり(リサイクルシステム)

リサイクルなし(代替システム)

残渣廃棄

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図 3-3 リサイクル効果の評価の概念図(再商品化+利用製品化) 一方、マテリアルリサイクルによる再商品化製品(原料)は、多かれ少なかれ不純物の

混入などが懸念され、新規原料から製造した製品とはまったく同等といえない場合がある。

そこで、その影響を検討するために次式で示す代替係数を導入した。 再商品化製品の特性値

代替係数 = 新規材による製品の特性値

ここで、特性値としては、性能や価格が考えられる。例えば、再商品化製品の寿命が新

規材による製品の 1/2 の場合には代替係数は 0.5 となる。再商品化製品を原料として配合す

る場合、100%配合可能な場合には代替係数は 1 となり、30%しか配合できない場合は 0.3と考えてもよい。一方、再商品化製品の特性は価格に反映されると考えることもできる。

例えば、プラスチック類の価格を表 3-7 に示すが、再生 PET フレークを PET ボトルに使

用する場合の代替係数は 0.30 となり、繊維用として使用する場合には 0.45 として評価する

ことができる。 表 3-7 プラスチック類の価格

新規樹脂価格 再生素材価格 最終製品価格 代替係数 ペットボト

ル 150~160 円/kg 30~60 円/kg

47 円/kg(平均) (フレーク)

150 円/kg (シート等)

0.30 繊維用樹脂を

100 円/kg とし

た場合、0.45 その他プラ

スチック (材料リサ

イクル)

110~140 円/kg (HDPE)

2~3 円/kg(フ

レーク) 10~ 25 円 /kg(ペレット)

160 円/kg (パレット等)

0.03(フレーク) 0.15(ペレット)

資源採掘 素材製造 使 用

利用製品化

製品製造

容リプラ利用製品

資源採掘 素材製造 使 用 製品製造

容リプラ利用 製品(相当)

廃 棄

製品化 素材製造 +

リサイクルあり(リサイクルシステム)

リサイクルなし(代替システム)

資源採掘

再商品化製品

残渣廃棄

再商品化

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再商品化製品が原燃料となる高炉還元剤、コークス炉原料炭代替物、セメント焼成燃料

などについては、高炉、コークス炉あるいはセメントキルンなどにおける使用比率が小さ

く、その効果を適切に評価することは困難であるため、代替係数の代わりに物質収支、熱

収支に基づいたモデルにより求められた石炭等との置換率をもって評価した。使用した置

換率を表 3-8 に示す。

表 3-8 容リプラの高炉還元剤およびセメント焼成燃料との置換率 置換率 備 考 コークス置換 1.51 kg-coke/kg-plastic

granule B ガス(1.9Mcal)減少

高炉還元剤* 微粉炭置換 1.59 kg-coal/kg-plastic

granule B ガス(2.2Mcal)減少

石炭置換 1.45 kg-coal/kg-plastic 発熱量比 セメント焼成燃料

石油コークス置換 0.88 kg-coke/kg-plastic 発熱量比 * 操業形態によりコークス置換あるいは微粉炭置換となる

以上の前提条件のもとに、本調査で対象とした再商品化プロセスおよび利用製品化プロ

セスのリサイクル効果の評価に適用した新規原料による代替プロセスおよび代替品、なら

びにそれらの CO2排出量を表 3-9 に示す。

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29

表 3-9 新規原料による代替プロセスおよび CO2排出原単位 リサイクルプロセス (再商品化製品)

代替品プロセス (再商品化製品相当)

CO2排出原単位

( kg/kg ) 備 考

出所(特記事項) 再生 PET フレーク PE 繊維用チップ 1.339 METI 再生 PET フレーク PET 樹脂 1.416 PWMI 再生 PET 樹脂(CR) PET 樹脂 1.416 PWMI 再生 PS ペレット PS 樹脂 1.756 PWMI 再生 PO ペレット PE 樹脂、PP 樹脂 1.347 PWMI、60 :40 により計算 高炉還元剤 コークス 0.615 NIRE-LCA 同 微粉炭(一般炭) 0.026 NIRE-LCA 原料炭代替コークス化 コークス 1.241 NSC、COG 燃焼を含む 同(炭化水素油) 重油 3.335 NIRE-LCA 油化生成油(軽質油) ナフサ 0.164 NIRE-LCA 同(中質油) 重油 0.117 NIRE-LCA 同(重質油) 重油 0.117 NIRE-LCA 同(油化残渣) 重油 0.117 NIRE-LCA 合成ガス 合成ガス(ナフサ) 0.924(/Nm3) NIRE-LCA

同 合成ガス(石炭) 0.994(/Nm3) 合成ガス(ナフサ)の熱量換算 ガス化・合成アンモニア 合成アンモニア 1.088 LCA-PJ 回収電力 電力製造 0.4236 NIRE-LCA (日本平均)

同 電力製造(石炭) 0.868 NIRE-LCA(発電効率 38%) 回収蒸気 蒸気製造 0.245 NIRE-LCA 回収スラグ 高炉セメント 0.466 LCA-PJ 回収メタル - - 考慮せず 回収塩酸 合成塩酸 0.262 NIRE-LCA サーマル 石炭代替 2.421* NIRE-LCA、燃焼を含む 同 原油代替 3.336* NIRE-LCA、燃焼を含む 同 石油コークス代替 3.645* NIRE-LCA、燃焼を含む 廃棄物(可燃残渣) 廃プラ単純焼却 2.713* 廃プラ単純焼却として処理 単純焼却 廃プラ単純焼却 2.713* LCA-PJ、AIST 焼却発電 廃プラ単純焼却 2.713** LCA-PJ、AIST、発電効率 9.6% 焼却スーパー発電 廃プラ単純焼却 2.713*** LCA-PJ、AIST、発電効率 27% 容リプラ燃焼 (成分構成比) 2.696* 水分等 10%を仮定、燃焼時 容リ・プラ MR 残渣燃焼 (成分構成比) 2.549* 水分等 10%を仮定、燃焼時 NIRE-LCA:産業技術総合研究所 LCA ソフトウェア、 PWMI:プラスチック処理促進協会 METI:経済産業省製造産業局繊維課、 NSC:新日本製鐵、 AIST:産業技術総合研究所(2004) LCA-PJ:LCA プロジェクトデータベース(2004) * 燃焼時の排出を含む ** 回収分(電力 0.87 kWh、蒸気 2.01 kg)控除せず *** 回収分(電力 4.0 kWh、蒸気 2.01 kg)控除せず

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30

3.7 インベントリ分析結果 リサイクル効果の評価にあたり、比較プロセスとしての埋立処理、単純焼却処理、サー

マルリサイクルを行う焼却発電(発電、スーパー発電)についての CO2排出量を表 3-10 に、

また比較対象とした単純焼却との差を図 3-4 に示す。図において、リサイクルをしない場合

(埋立処理)を便宜上マイナス側に表示した。 表 3-10 比較プロセスの CO2排出量

対象システムのインベントリ LCCO2

埋立処理

0.006 kg-CO2/kg

単純焼却

2.72 kg-CO2/kg

焼却発電

2.72

kg-CO2/kg <回収エネルギ

ー控除後> 1.77

kg-CO2/kg

焼却スーパー発電

2.72

kg-CO2/kg <回収エネルギ

ー控除後> 0.93

kg-CO2/kg

容リプラ

輸 送

埋立処理 埋

立物

電力 0.009 kWh 軽油 0.78 g 軽油 0.15 g

CO2 0.5

CO2 0.4 1.000 kg 0.155 kg

焼 却

電力 0.023 kWh 重油 0.6 g

CO2 2,716g 廃棄物 0.155g 回収電力 1.09 kWh 回収蒸気 2.01 kg

容リプラ

輸 送

埋立処理 埋

立物

電力 0.009 kWh 軽油 0.78 g 軽油 0.15 g

CO2 0.5

CO2 0.4 1.000 kg 0.155 kg

焼 却

CO2 2,716 g 廃棄物 0.155g

電力 0.023 kWh 重油 0.6 g

容リプラ

輸 送

埋立処理 埋

立物

電力 0.009 kWh 軽油 0.78 g 軽油 0.15 g

CO2 0.5

CO2 0.4 1.000 kg 0.155 kg

焼 却

電力 0.023 kWh 重油 0.6 g

CO2 2,716g 廃棄物 0.155g 回収電力 3.06 kWh 回収蒸気 2.01 kg

容リプラ

輸 送

埋立処理 埋

立物

電力 0.059 kWh 軽油 0.5 g 軽油 0.97 g

CO2 3 g CO2 3 g 1.000 kg 1.000 kg

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31

-3,000

-2,000

-1,000

0

1,000

2,000

3,000

全量

埋立

単純

焼却

焼却

発電

(9%)

焼却

発電

(27%)

CO

2排

出量

(g-C

O2/kg

-pl

astic)

単純焼却 焼却処理 単純焼却 輸送・埋立 比較プロセス 焼却処理

比較プロセス 輸送・埋立 比較プロセス 回収電力・蒸気 比較プロセス-単純焼却

CO2

-35

-30

-25

-20

-15

-10

-5

0

5

全量

埋立

単純

焼却

焼却

発電

(9%)

焼却

発電

(27%)

エネ

ルギ

ー消

費量

(MJ/kg

-pl

astic)

単純焼却 焼却処理 単純焼却 輸送・埋立 比較プロセス 焼却処理

比較プロセス 輸送・埋立 比較プロセス 回収電力・蒸気 比較プロセス-単純焼却

エネルギー

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.2

全量

埋立

単純

焼却

焼却

発電

(9%)

焼却

発電

(27%)

埋立

量(k

g/kg

-pl

astic)

単純焼却 焼却処理 単純焼却 輸送・埋立 比較プロセス 焼却処理

比較プロセス 輸送・埋立 比較プロセス 回収電力・蒸気 比較プロセス-単純焼却

埋立量

図 3-4 廃棄処理にかかわる環境負荷(容リプラ 1kg あたり)

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32

3.7.1 再商品化プロセスのリサイクル効果 (1)マテリアルリサイクル マテリアルリサイクルによる再商品化プロセスについて、3.6 項によるリサイクル効果を

図 3-5-1~3-5-5 に示す。 図の各 3 本からなる棒グラフにおいて、左側に代替システムの環境負荷量を、中央にリ

サイクルシステムの環境負荷量を、右側にリサイクル効果(「リサイクルシステム」-「代

替システム」)を示した。リサイクル効果のマイナスは環境負荷の削減を意味する。図では

単純焼却に対する効果をシナリオとしたが、発電ありの焼却処理の場合には、代替プロセ

スの廃棄処理の部分が焼却(発電あり)に相当する部分に置き換わる。

図 3-5-1 マテリアルリサイクルによる再商品化の CO2排出量に対する効果

図 3-5-2 マテリアルリサイクルによる再商品化の NOx 排出量に対する効果

-4000

-3000

-2000

-1000

0

1000

2000

3000

4000

5000

PET

フレ

ーク

白色

PS

ペレ

ット

PO

ペレ

ット

PO

フラ

CO

2排

出量

(g-C

O2/kg

-pl

ast

ic)

代替システム 新規材製造 代替システム 廃棄処理 リサイクルシステム 再商品化

リサイクルシステム 廃棄処理 リサイクル効果

CO2

-4.0

-3.0

-2.0

-1.0

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

PE

Tフレ

ーク

白色

PSヘ

゚レット

PO

ペレ

ット

PO

フラ

NO

x排出

量(g

-N

Ox/kg

-pla

stic

)

代替システム 新規材製造 代替システム 廃棄処理 リサイクルシステム 再商品化

リサイクルシステム 廃棄処理 リサイクル効果

NOx

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33

-4.0

-3.0

-2.0

-1.0

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

PET

フレ

ーク

白色

PS

ペレ

ット

PO

ペレ

ット

PO

フラ

SO

x排出

量(g

-SO

x/kg

-pla

stic

)

代替システム 新規材製造 代替システム 廃棄処理 リサイクルシステム 再商品化

リサイクルシステム 廃棄処理 リサイクル効果

SOx

図 3-5-3 マテリアルリサイクルによる再商品化の SOx 排出量に対する効果

-60.0

-40.0

-20.0

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

PE

Tフレ

ーク

白色

PS

ペレ

ット

PO

ペレ

ット

PO

フラフ

エネ

ルギ

ー消

費量

(MJ/kg

-pla

stic

)

代替システム 新規材製造 代替システム 廃棄処理 リサイクルシステム 再商品化

リサイクルシステム 廃棄処理 リサイクル効果

エネルギー

図 3-5-4 マテリアルリサイクルによる再商品化のエネルギー消費量に対する効果

-0.20

-0.15

-0.10

-0.05

0.00

0.05

0.10

0.15

0.20

PET

フレー

白色

PS

ペレ

ット

PO

ペレ

ット

PO

フラ

埋立

量(k

g/kg

-pla

stic

)

代替システム 新規材製造 代替システム 廃棄処理 リサイクルシステム 再商品化

リサイクルシステム 廃棄処理 リサイクル効果

埋立

図 3-5-5 マテリアルリサイクルによる再商品化の埋立量に対する効果

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34

(2)ケミカルリサイクル ケミカルリサイクルによる各再商品化手法については、化学分解法(モノマー化)、油化、

ガス化などのようにケミカル処理により原燃料となるプロセスと、高炉還元剤化、原料炭

代替化などのように再商品化プロセス自体は物理的処理であり、使用段階でケミカル処理

されるプロセスがある。 ここでは、再商品化の範囲でケミカル処理を行う前者の新規原料プロセス代替の効果(リ

サイクル効果)を図 3-6-1~3-6-5 に示す。後者については、再商品化の産出物は物理的処理

による造粒品であり、高炉あるいはコークス炉への原料としての中間品であるため、代替

プロセスのリサイクル効果の評価は難しく、利用段階を含めて 3.7.2 項において検討する。 PET 化学分解法(DMT 法)において NOx および SOx 排出量が多くなっているが、こ

れはエネルギーとして石炭を多量に使用しているためである。 図 3-6-1 ケミカルリサイクルによる再商品化の CO2排出量に対する効果

図 3-6-2 ケミカルリサイクルによる再商品化の NOx 排出量に対する効果

図 3-6-3 ケミカルリサイクルによる再商品化の SOx 排出量に対する効果

-3000

-2000

-1000

0

1000

2000

3000

4000

5000

PETモ

ノマ

ー化

(DM

T)

PETモ

ノマ

ー化

(BH

ET

)

油化

(炭化

水素

油)

ガス

化(合

成ガス

)

CO

2排

出量

(g-C

O2/kg

-pla

stic

)

代替システム 新規材製造 代替システム 廃棄処理 リサイクルシステム 再商品化

リサイクルシステム 製品化 リサイクルシステム 廃棄処理 リサイクル効果

CO2

-2.0

-1.0

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

PETモ

ノマ

ー化

(DM

T)

PETモ

ノマ

ー化

(BH

ET)

油化

(炭化

水素

油)

ガス

化(合

成ガス

)NO

x排出

量(g

-N

Ox/

kg-pl

ast

ic)

代替システム 新規材製造 代替システム 廃棄処理 リサイクルシステム 再商品化

リサイクルシステム 製品化 リサイクルシステム 廃棄処理 リサイクル効果

NOx

-3.0

-2.0

-1.0

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

PE

Tモ

ノマー

化(D

MT

)

PE

Tモ

ノマー

化(B

HE

T)

油化

(炭化

水素

油)

ガス

化(合

成ガス

)

SO

x排出

量(g

-S

Ox/

kg-pl

astic)

代替システム 新規材製造 代替システム 廃棄処理 リサイクルシステム 再商品化

リサイクルシステム 製品化 リサイクルシステム 廃棄処理 リサイクル効果

SOx

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35

図 3-6-4 ケミカルリサイクルによる再商品化のエネルギー消費量に対する効果

図 3-6-5 ケミカルリサイクルによる再商品化の埋立量に対する効果 (3)サーマルリサイクル

再商品化手法により得られる原燃料あるいは容リプラを直接燃料として利用するサーマ

ルリサイクルについて、油化-サーマル、ガス化-サーマルおよびセメントキルン燃料化のリ

サイクル効果を図 3-7-1~3-7-5 に示す。 ここで、油化-サーマルについては重油代替、ガス化-サーマルについては石炭および発電

(発電効率 35%、国内火力平均代替評価)、セメントキルン燃料化については石炭代替およ

び石油コークス代替の例を示した。使用済みプラスチックを直接燃料とするセメントキル

ンによるリサイクル効果が大きい。

-30.0

-20.0

-10.0

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

PE

Tモ

ノマ

ー化

(DM

T)

PE

Tモ

ノマ

ー化

(BH

ET)

油化

(炭化

水素

油)

ガス

化(合

成カ

゙ス)

エネ

ルギ

ー消

費量

(MJ/kg

-pla

stic

)

代替システム 新規材製造 代替システム 廃棄処理 リサイクルシステム 再商品化

リサイクルシステム 製品化 リサイクルシステム 廃棄処理 リサイクル効果

エネルギー

-0.20

-0.15

-0.10

-0.05

0.00

0.05

0.10

0.15

0.20

PET

モノマ

ー化

(DM

T)

PET

モノマ

ー化

(BH

ET

)

油化

(炭化

水素

油)

ガス

化(合

成カ

゙ス)

埋立

量(k

g/kg

-pla

stic

)

代替システム 新規材製造 代替システム 廃棄処理 リサイクルシステム 再商品化

リサイクルシステム 製品化 リサイクルシステム 廃棄処理 リサイクル効果

埋立

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36

図 3-7-1 サーマルリサイクルによる各手法の CO2排出量に対するリサイクル効果

図 3-7-2 サーマルリサイクルによる各手法の NOx 排出量に対するリサイクル効果

-6,000

-4,000

-2,000

0

2,000

4,000

6,000

8,000

油化

・サー

マル

(重油

代替

)

ガス

化・サ

ーマ

ル(石

炭代

替)

ガス

化・サ

ーマ

ル(発

電)

セメン

ト燃料

化(塩

素ハ

゙イハ

゚ス)

(石炭

代替

)

セメン

ト燃料

化(脱

塩素

処理

)(石

油コー

クス

代替

)

CO

2排

出量

(g-C

O2/kg

-pla

stic

)

代替システム 新規材製造 代替システム 廃棄処理 リサイクルシステム 再商品化

リサイクルシステム 製品化 リサイクルシステム 廃棄処理 リサイクル効果

CO2

-15.0

-10.0

-5.0

0.0

5.0

10.0

15.0

油化

・サー

マル

(重油

代替

)

ガス

化・サ

ーマ

ル(石

炭代

替)

ガス

化・サ

ーマ

ル(発

電)

セメント燃

料化

(塩素

バイ

パス

)(石

炭代

替)

セメント燃

料化

(脱塩

素処

理)

(石油

コー

クス

代替

)

NO

x排出

量(g

-N

Ox/kg

-pla

stic

)

代替システム 新規材製造 代替システム 廃棄処理 リサイクルシステム 再商品化

リサイクルシステム 製品化 リサイクルシステム 廃棄処理 リサイクル効果

NOx

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37

図 3-7-3 サーマルリサイクルによる各手法の SOx 排出量に対するリサイクル効果

図 3-7-4 サーマルリサイクルによる各手法のエネルギー消費量に対するリサイクル効果

図 3-7-5 サーマルリサイクルによる各手法の埋立量に対するリサイクル効果

-8.0

-6.0

-4.0

-2.0

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

油化

・サー

マル

(重油

代替

)

ガス

化・サ

ーマ

ル(石

炭代

替)

ガス

化・サ

ーマ

ル(発

電)

セメント燃

料化

(塩素

バイ

パス

)(石

炭代

替)

セメント燃

料化

(脱塩

素処

理)

(石油

コー

クス

代替

)

SO

x排出

量(g

-SO

x/kg

-pla

stic

)

代替システム 新規材製造 代替システム 廃棄処理 リサイクルシステム 再商品化リサイクルシステム 製品化 リサイクルシステム 廃棄処理 リサイクル効果

SOx

-60.0

-40.0

-20.0

0.0

20.0

40.0

60.0

油化

・サー

マル

(重油

代替

)

ガス

化・サ

ーマ

ル(石

炭代

替)

ガス

化・サ

ーマ

ル(発

電)

セメント燃

料化

(塩素

バイ

パス

)(石

炭代

替)

セメント燃

料化

(脱塩

素処

理)

(石油

コー

クス

代替

)

エネ

ルギ

ー消

費量

(MJ

/kg

-pla

stic

)

代替システム 新規材製造 代替システム 廃棄処理 リサイクルシステム 再商品化

リサイクルシステム 製品化 リサイクルシステム 廃棄処理 リサイクル効果

エネルギー

-0.20

-0.15

-0.10

-0.05

0.00

0.05

0.10

0.15

0.20

油化

・サー

マル

(重油

代替

)

ガス

化・サ

ーマ

ル(石

炭代

替)

ガス

化・サ

ーマ

ル(発

電)

セメント燃

料化

(塩素

バイ

パス

)(石

炭代

替)

セメント燃

料化

(脱塩

素処

理)

(石油

コー

クス

代替

)

エネ

ルギ

ー消

費量

(MJ/kg

-pla

stic

)

代替システム 新規材製造 代替システム 廃棄処理 リサイクルシステム 再商品化

リサイクルシステム 製品化 リサイクルシステム 廃棄処理 リサイクル効果

埋立

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38

3.7.2 利用製品化を含めた再商品化手法のリサイクル効果 (1)マテリアルリサイクルによる利用製品化 マテリアルリサイクルによる利用製品化の例として、ポリエステル短繊維、PET ボトル、

PSP トレイおよび物流パレットについて検討した。ただし、再生 PET ボトルについては化

学的処理(モノマー化)によるケミカルリサイクルであるが、便宜上ここで取り上げた。 ① PET ボトルのリサイクル

使用済み PET ボトルのマテリアルリサイクルとして、再生 PET フレークの主要な用途

に繊維がある。長繊維(フィラメント)と短繊維(ステープル)があるが、ここでは短繊

維へのリサイクルを対象とした。 一方、使用済み PET ボトルの化学分解法(モノマー化)によるケミカルリサイクルにお

いては、再び重合してボトル用樹脂を製造し、いわゆるボトル to ボトルによりリサイクル

されている。そこで、炭酸用 1.5L PET ボトルにリサイクルした場合の効果を製品 PET ボ

トル 1kg あたりについて求めた。 利用製品化のインベントリについて、再生 PET フレークの繊維化工程はポリエステル繊

維化工程とほぼ同じであり、ここではポリエステル繊維チップのステープル加工(短繊維)

の値を使用した。また、再生 PET ボトルの成形工程は新規材と同じである。これらの再生

製品 1kg あたりの全遡及したインベントリ(LCI)を表 3-11 に示す。

表 3-11 再生 PET 短繊維および再生 PET ボトルインベントリ

従来の再生 PET フレークの評価においては、データがなかったことから PET 樹脂との

対比により行われていた。そこで、PET 樹脂に対して 3.6 項で定義した代替係数にそれぞ

容リプラ1kgあたり 再生製品1kgあたりPE短繊維 PETボトル PE短繊維 PETボトル

資源消費 石炭 kg 0.087 0.112 0.119 0.144石油 kg 0.127 0.528 0.175 0.675天然ガス kg 0.015 0.150 0.021 0.192ウラン鉱石 kg 0.000 0.000 0.000 0.000水 kg 3.345 28.219 4.610 36.065

エネルギー消エネルギー消費(計) MJ 9.663 37.994 13.318 48.558  サイト(電力以外) MJ 1.389 16.292 1.914 20.822  サイト(電力、自家発を含む) MJ 2.205 9.256 3.039 11.829  原材料 MJ 0.000 0.000 0.000 0.000  副資材等 MJ 0.063 0.760 0.087 0.971

製品(再生品) kg 0.726 1.629 1.000 2.082残渣 計(再生品以外) kg 0.245 0.154 0.338 0.196

  埋立処理 kg 0.093 0.104 0.128 0.133  焼却処理 kg 0.000 0.000 0.000 0.000  再資源化(副生品) kg 0.152 0.050 0.210 0.063

大気圏排出CO2計 (LCCO2) kg 0.674 2.401 0.929 3.069  CO2 サイト(自家発分を含む) kg 0.096 1.440 0.133 1.840  CO2 電力(自家発を除く) kg 0.128 0.169 0.176 0.216  CO2 原材料 kg 0.000 0.100 0.000 0.128  CO2 副資材等 kg 0.003 0.016 0.004 0.020NOx kg 0.001 0.004 0.002 0.005SOx kg 0.001 0.004 0.001 0.005PM kg 0.000 0.000 0.000 0.000

水圏排出物BOD kg 0.000 0.000 0.000 0.000COD kg 0.003 0.000 0.004 0.000SS kg 0.000 0.000 0.000 0.000

固形廃棄物 kg 0.008 0.000 0.011 0.000

インプ

ット

アウトプ

ット

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39

れの価格を適用してリサイクル効果を算出した。これら PET ボトルのリサイクルについて、

製品 1kg あたりのリサイクル効果を図 3-8-1~3-8-2 に示す。

図 3-8-1 PET短繊維およびPET ボトル 1kgあたりのCO2排出量に対するリサイクル効果

図 3-8-2 PET 短繊維および PET ボトル 1kg あたりのエネルギー消費量に対する リサイクル効果

ポリエステル繊維へのマテリアルリサイクルについて、代替係数には、新規ボトル用 PET

樹脂価格(150 円/kg)に対して新規繊維用樹脂の価格を 100 円/kg として代替率=0.67 とし

たが、CO2 排出量では容リプラの焼却埋立の陰に隠れて差が出なかったと考えられる。エ

ネルギー消費量では新規樹脂製造の差がそのまま表れている。一方、再生 PET ボトルへの

-6,000

-4,000

-2,000

0

2,000

4,000

6,000

8,000

再生

PE

T短

繊維

再生

PE

T短

繊維

(代替

係数

0.6

7)

再生

PE

T短

繊維

(代替

係数

1.0

)

再生

PE

Tボ

トル

(化学

分解

法)

CO

2排

出量

(g-C

O2/pr

odu

ct)

代替システム 新規材製造 代替システム 製品化 代替システム 廃棄処理リサイクルシステム 再商品化 リサイクルシステム 製品化 リサイクルシステム 廃棄処理リサイクル効果

CO2

-80.0

-60.0

-40.0

-20.0

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0

再生

PE

T短

繊維

再生

PE

T短

繊維

(代替

係数

0.6

7)

再生

PE

T短

繊維

(代替

係数

1.0

)

再生

PE

Tボ

トル

(化学

分解

法)

CO

2排

出量

(g-C

O2/pr

odu

ct)

代替システム 新規材製造 代替システム 製品化 代替システム 廃棄処理リサイクルシステム 再商品化 リサイクルシステム 製品化 リサイクルシステム 廃棄処理リサイクル効果

エネルギー

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40

ケミカルリサイクルでは、再商品化プロセスにかかわる環境負荷が大きい。 PETボトルのポリエステル短繊維へのマテリアルリサイクルとPETボトルへのケミカル

リサイクルではリサイクル効果の差があるが、マテリアルリサイクルの場合は再生繊維製

品として利用された後は再度繊維製品にリサイクルされるとは限らない。一方、PET ボト

ルへのケミカルリサイクルは、ボトル to ボトルとしてリサイクルが可能である。また、製

品寿命が異なっており、これらのリサイクル手法の比較については、システム境界の問題

も含めてさらに検討が必要である。

② 白色および食品用 PSP トレイ PSP トレイは、図 3-9に示したように、PSペレットのシート成形とトレイ成形からなる。

トレイ成形工程では端材が発生するが、ペレット化して再度シート成形に回される。食品

用再生 PS トレイの場合は、食品衛生法によりトレイ成形の段階で PS フィルムによるラミ

ネート加工が施される。なお、トレイに印刷を施こしたり着色したりする場合は、新規材

でもラミネート加工を行う。白色 PSP トレイではラミネート加工は行わない。

図 3-9 食品用 PSP トレイの製造フロー

このラミネート加工は、トレイ成形時に 25μm 程度の PS フィルムを両面にラミネート

処理するものであり、標準的なトレイの平均質量を 4.2g/枚とすると、ラミネート加工トレ

イの質量は 5.3g/枚となる。ラミネートフィルムは薄いが、見かけ密度が発泡 PS シートの

10 倍ほどであるので、その影響は大きくなる。 利用製品化にあたるトレイ成形は、再生材と新規材ともに同じであり、表 3-12 に示すイ

ンベントリを使用した。 再生白色 PSP トレイ、再生食品用 PSP トレイおよび再生印刷/着色 PSP トレイについ

て、1,000 枚あたりについて算出したこれらのリサイクル効果を表 3-16-1~3-16-2 および図

PS

樹脂

シート

成形 トレイ

成形

容リプラ

再生PS

ペレット

PSP

トレイ

再生PSP

トレイ

端材

端材

シート

成形 トレイ

成形 再商品

ペレッ

ト化

ペレッ

ト化

ラミフィルム

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41

3-10-1~3-10-2 に示す。 再生食品用トレイでは再生白色 PSP トレイに比べてとラミネートフィルムに関わる分だ

けリサイクル効果は小さいが、再生印刷/着色トレイではラミネート処理が必須となるた

めリサイクル効果は再生白色 PSP トレイとほぼ同じ結果となる。 表 3-12 再生 PSP トレイおよび再生物流パレットのインベントリ(資源採取まで遡及)

図 3-10-1 PSP トレイ 1,000 枚の CO2排出量に対するリサイクル効果

-20,000

-10,000

0

10,000

20,000

30,000

40,000

再生

PS

Pト

レイ

(白

色)

再生

PS

Pト

レイ

(食品

用)

再生

PS

Pト

レイ

(印刷

/着

色)C

O2排

出量

(g-C

O2/pr

odu

ct)

代替システム 新規材製造 代替システム 製品化 代替システム 廃棄処理リサイクルシステム 再商品化 リサイクルシステム 製品化 リサイクルシステム 廃棄処理リサイクル効果

CO2

容リプラ1kgあたり 再生製品1kgあたりPSPトレイ パレット PSPトレイ パレット

容リ・プラスチック kg 1.000 1.000 0.950 0.747資源消費 石炭 kg 0.198 0.105 0.188 0.078

石油 kg 0.496 0.230 0.471 0.172天然ガス kg 0.099 0.052 0.094 0.039ウラン鉱石 kg 0.000 0.000 0.000 0.000水 kg 4.630 4.420 4.401 3.302

エネルギーエネルギー消費(計) MJ 52.719 26.324 50.107 19.667  サイト(電力以外) MJ 0.000 0.000 0.000 0.000  サイト(電力、自家発を含む) MJ 26.898 6.848 25.565 5.116  原材料 MJ 24.386 15.921 23.178 11.895  副資材等 MJ 1.435 0.000 1.364 0.000

製品(再生製品) kg 1.052 1.339 1.000 1.000残渣等 副生品・残渣等(計) kg 0.185 1.052 0.176 0.786

  埋立処理 kg 0.000 0.401 0.000 0.299  焼却処理 kg 0.185 0.546 0.176 0.408  再資源化(副生品) kg 0.000 0.106 0.000 0.079

大気圏排出CO2 (計) kg 2.371 1.266 2.253 0.945  CO2 サイト(自家発分を含む) kg 0.000 0.000 0.000 0.000  CO2 電力(自家発を除く) kg 1.557 0.396 1.480 0.296  CO2 原材料 kg 0.784 0.869 0.745 0.649  CO2 副資材等 kg 0.029 0.000 0.028 0.000NOx kg 0.002 0.001 0.002 0.001SOx kg 0.003 0.002 0.002 0.001PM kg 0.000 0.000 0.000 0.000

水圏排出物BOD kg 0.000 0.000 0.000 0.000COD kg 0.000 0.000 0.000 0.000SS kg 0.000 0.000 0.000 0.000

固形廃棄物 kg 0.013 0.000 0.013 0.000

インプ

ット

アウトプ

ット

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42

図 3-10-2 PSP トレイ 1,000 枚のエネルギー消費量に対するリサイクル効果

③ 物流パレット その他プラスチックのマテリアルリサイクルとして、再生物流パレットがある。 物流パレットのうち、プラスチック製平パレットの品質については JIS Z 0606 に規定さ

れており、実際に市販されている再生プラスチック製平パレットのデータとともに、表 3-13に示す。再生プラスチックパレットは A 種プラスチック製平パレットの強度を満足してお

り、新規製品と同等に扱うことができる。

表 3-13 プラスチックパレットの強度特性 プラスチック製平パレット

(JIS Z 0606) 種別

試験項目 A 種 B 種

再生プラスチック パレット※

圧縮強度 ひずみ量 4mm 以下 4mm 以下 0.38mm 曲げ強度 たわみ率 1.5%以下 5%以下 1.48%

下面デッキ ボード強度 たわみ率 2.5%以下 8%以下 2.35%

落下強度 対角線長さ の変化率 1%以下 1%以下 0%

物流パレットの製造には大型の射出成形機が用いられるが、射出後のパレットの冷却に

時間がかかり、多量の冷却水(循環)を必要とする。供給される原料はペレットでもよい

が、通常、フラフが供給される。なお、再生原料が全量使用可能である一方で、外観上か

ら新規原料をパレット表面に被覆するサンドイッチ成形法を採用しているところもある。 再生物流パレットの容リプラ 1kg あたりおよび再生製品 1kg あたりの全遡及のインベン

トリを前出の表 3-12 に示す。

-300.0

-200.0

-100.0

0.0

100.0

200.0

300.0

400.0

500.0

600.0

再生

PS

Pト

レイ

(白

色)

再生

PS

Pト

レイ

(食品

用)

再生

PS

Pト

レイ

(印刷

/着

色)

エネ

ルギ

ー消

費量

(MJ/pr

odu

ct)

代替システム 新規材製造 代替システム 製品化 代替システム 廃棄処理リサイクルシステム 再商品化 リサイクルシステム 製品化 リサイクルシステム 廃棄処理リサイクル効果

エネルギー

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43

再生物流パレットでは、多くの場合、上記の強度特性を確保するために厚みを若干厚く

したり、設計上で工夫している。例えば、標準的なパレットを 20kg/枚とすれば、ほぼ 10%重くなっており、ここでは 22kg/枚とした。 これら再生物流パレットについて、種々の製法・原料使用による平均値(現状)、原料を

全量 PO フラフとした場合の試算、および現在全量を容リプラ・フラフによって製造してい

る R 社の例について、パレット 1 枚あたりのリサイクル効果を算出した結果を図 3-11-1~3-11-2 に示す。

図 3-11-1 物流パレットの CO2排出量に対するリサイクル効果

図 3-11-2 物流パレットのエネルギー消費量に対するリサイクル効果

-100,000

-50,000

0

50,000

100,000

150,000

200,000再

生P

Oパ

レッ

再生

PO

パレ

ット

(全量

フラフ)

再生

PO

パレ

ット

(R社

)

CO

2排出

量(g

-CO

2/p

roduc

t)

代替システム 新規材製造 代替システム 製品化 代替システム 廃棄処理リサイクルシステム 再商品化 リサイクルシステム 製品化 リサイクルシステム 廃棄処理リサイクル効果

CO2

-2,000

-1,500

-1,000

-500

0

500

1,000

1,500

2,000

再生

PO

パレ

ット

再生

PO

パレ

ット

(全量

フラフ)

再生

PO

パレ

ット

(R社

)

エネ

ルギ

ー消

費量

(MJ/p

rodu

ct)

代替システム 新規材製造 代替システム 製品化 代替システム 廃棄処理リサイクルシステム 再商品化 リサイクルシステム 製品化 リサイクルシステム 廃棄処理リサイクル効果

エネルギー

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44

(2)ケミカルリサイクルによる利用製品化 ケミカルリサイクルの利用製品化として、大規模な再商品化手法としての高炉原料化、

原料炭代替化およびガス化について、高炉での利用、コークス炉での利用および合成ガス

のアンモニア合成について検討した。新規原料プロセス代替の効果(リサイクル効果)を

図 3-12-1~3-12-3 に示す。ここでは、高炉やコークス炉でのプラスチックの利用はごく一部

に限られており、その製品としての実態を捉えることが難しいため、容リプラ 1kg あたり

のリサイクル効果で示した。なお、高炉およびコークス炉利用では、残渣以外のプラスチ

ックはすべて利用製品化(還元剤、コークス、ガス、化成品等)され、プラスチック由来

の直接的な環境負荷は考慮していない。 PET ボトルの化学分解法(モノマー化)によるケミカルリサイクルについては、前項で

述べたとおりである。

-4,000

-2,000

0

2,000

4,000

6,000

8,000

高炉

原料

コー

クス

炉原

料炭

代替

ガス

化・ア

ンモ

ニア

CO

2排

出量

(g-C

O2/kg

-pla

stic

)

代替システム 新規材製造 代替システム 廃棄処理 リサイクルシステム 再商品化リサイクルシステム 製品化 リサイクルシステム 廃棄処理 リサイクル効果

CO2

図 3-12-1 ケミカルリサイクルによる利用製品化の CO2排出量に対する効果

Page 37: 【本 編】 - METI11 2.2 インベントリ調査 2.2.1 データ収集 本年度調査においては、マテリアルリサイクル、前年度データが得られなかったPET

45

-60.0

-40.0

-20.0

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0

120.0

高炉

原料

コーク

ス炉

原料

炭代

替物

ガス

化・ア

ンモ

ニア

エネ

ルギ

ー消

費量

(MJ

/kg

-pla

stic

)

代替システム 新規材製造 代替システム 廃棄処理 リサイクルシステム 再商品化

リサイクルシステム 製品化 リサイクルシステム 廃棄処理 リサイクル効果

エネルギー

図 3-12-2 ケミカルリサイクルによる利用製品化のエネルギー消費量に対する効果

-0.20

-0.15

-0.10

-0.05

0.00

0.05

0.10

0.15

0.20

高炉

原料

コー

クス

炉原

料炭

代替

ガス

化・ア

ンモ

ニア

埋立

量(k

g/kg

-pla

stic

)

代替システム 新規材製造 代替システム 廃棄処理 リサイクルシステム 再商品化

リサイクルシステム 製品化 リサイクルシステム 廃棄処理 リサイクル効果

埋立

図 3-12-3 ケミカルリサイクルによる利用製品化の埋立量に対する効果

Page 38: 【本 編】 - METI11 2.2 インベントリ調査 2.2.1 データ収集 本年度調査においては、マテリアルリサイクル、前年度データが得られなかったPET

46

4. 考 察 4.1 システム境界

リサイクル効果の評価にあたっては、製品の機能が同一であることが前提となる。表 3-7に示した再商品化製品および新規原料による再商品化製品相当品が同等であるかが重要で

あり、本調査では一部について再生原料を用いた再生製品までシステムを拡張して検討し

た。3.7.2 項に示したように、製品まで含めることで、機能を合わせることが可能になると

考えられる。 再商品化の範囲と利用製品化まで拡張した場合のリサイクル効果を再掲すると、図

4-1-1~4-1-2 のとおりである。

図 4-1-1 システム境界の違いによる CO2排出量に対するリサイクル効果

-4,000

-2,000

0

2,000

4,000

6,000

8,000

PE

T短

繊維

再生

PE

Tボ

トル

白色

再生

PS

Pト

レイ

CO

2排

出量

(g-C

O2/kg

-pl

astic)

代替システム 新規材製造 代替システム 製品化代替システム 廃棄処理 リサイクルシステム 再商品化リサイクルシステム 利用製品化 リサイクルシステム 廃棄処理リサイクル効果

搬入~再商品化~容リプラ利用製品化

-4,000

-2,000

0

2,000

4,000

6,000

8,000

PETフレー

PET樹

脂(化

学分

解法

)

白色

PS

ペレ

ット

CO

2排出

量(g

-CO

2/k

g-pl

astic)

代替システム 新規材製造 代替システム 廃棄処理リサイクルシステム 再商品化 リサイクルシステム 廃棄処理リサイクル効果

搬入~再商品化

-4,000

-2,000

0

2,000

4,000

6,000

8,000

白色

PS

ペレ

ット

PO

ペレ

ット

ガス

化(合

成ガス

)

CO

2排

出量

(g-C

O2/kg

-pl

astic)

代替システム 新規材製造 代替システム 廃棄処理

リサイクルシステム 再商品化 リサイクルシステム 廃棄処理

リサイクル効果

搬入~再商品化

-4,000

-2,000

0

2,000

4,000

6,000

8,000

食品

用再

生P

SP

トレ

再生

PO

パレ

ット

アン

モニ

CO

2排

出量

(g-C

O2/kg

-pl

astic)

代替システム 新規材製造 代替システム 製品化代替システム 廃棄処理 リサイクルシステム 再商品化リサイクルシステム 利用製品化 リサイクルシステム 廃棄処理リサイクル効果

搬入~再商品化~容リプラ利用製品化

Page 39: 【本 編】 - METI11 2.2 インベントリ調査 2.2.1 データ収集 本年度調査においては、マテリアルリサイクル、前年度データが得られなかったPET

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図 4-1-2 システム境界の違いによるエネルギー消費量に対するリサイクル効果 上段に示した PET 繊維、PET ボトル、白色 PSP トレイについては、新規材と再生材と

で利用製品化工程が同一であり、リサイクル効果はシステム境界が変わっても変わらない。

一方、下段の食品用トレイおよびパレットでは、食品用用途という食品衛生上からの観点

および PO フラフ/ペレットが相当する新規材とは性状・品質が異なるため利用製品化工程

に工夫を凝らしており、そのためにリサイクル効果がシステム境界によって異なることに

なる。 ケミカルリサイクルによる使用済みプラスチックからの合成ガスは、例えばナフサから

の合成ガスとは組成・性状が異なり評価が難しいが、アンモニア製造まで範囲を拡張する

と、種々の製法によるアンモニアとの評価が可能となる。同じような観点から高炉還元剤

-100.0

-50.0

0.0

50.0

100.0

150.0

200.0

PE

T短

繊維

再生

PE

Tボ

トル

白色

再生

PS

Pト

レイ

エネ

ルギ

ー消

費量

(MJ/kg

-pl

astic)

代替システム 新規材製造 代替システム 製品化代替システム 廃棄処理 リサイクルシステム 再商品化リサイクルシステム 製品化 リサイクルシステム 廃棄処理リサイクル効果

搬入~再商品化~製品化

-100.0

-50.0

0.0

50.0

100.0

150.0

200.0

PETフレー

PET樹

脂(化

学分

解法

)

白色

PS

ペレ

ット

エネ

ルギ

ー消

費量

(MJ/k

g-pla

stic

)

代替システム 新規材製造 代替システム 廃棄処理リサイクルシステム 再商品化 リサイクルシステム 廃棄処理リサイクル効果

搬入~再商品化

-100.0

-50.0

0.0

50.0

100.0

150.0

200.0

白色

PS

ペレ

ット

PO

ペレ

ット

ガス

化(合

成ガス

)

エネ

ルギ

ー消

費量

(MJ/kg

-pl

astic)

代替システム 新規材製造 代替システム 廃棄処理リサイクルシステム 再商品化 リサイクルシステム 廃棄処理

リサイクル効果

搬入~再商品化

-100.0

-50.0

0.0

50.0

100.0

150.0

200.0

食品

用再

生P

SP

トレ

再生

PO

パレ

ット

アン

モニ

エネ

ルギ

ー消

費量

(MJ/kg

-pl

astic)

代替システム 新規材製造 代替システム 製品化代替システム 廃棄処理 リサイクルシステム 再商品化リサイクルシステム 利用製品化 リサイクルシステム 廃棄処理リサイクル効果

搬入~再商品化~製品化

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48

および原料炭代替物についても、高炉およびコークス炉において使用してはじめてその機

能に応じた評価が可能となる。 本調査では、再商品化およびそれに続く利用製品化までシステムを拡張して検討したが、

その妥当性については、図 4-2 のように考えることができる。すなわち、利用製品化と新規

製品化段階が同一である場合には、それらの環境負荷およびリサイクル効果は同じであり、

再商品化製品および相当品が同等であると評価できる。異なる場合には、さらに次の段階

(ここでは製品/使用とした)までシステムを拡張することにより同様に評価できる。な

お、本調査では、取り上げた再生製品は新規製品と同等に扱われていることから、R3=V3(E3=E2)とした。

図 4-2 システム拡張とシステム境界の妥当性評価

このように、再商品化手法のリサイクル効果の評価にあたっては、製品の機能が同一と

なるように設定することが肝要であり、容リ法で規定される商品化の範囲を一律にシステ

ム境界に設定することは適切とはいえない。

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49

4.2 再商品化手法のインベントリ 再商品化プロセスにおいては、複数の再商品化製品が共生されることがある。白色 PS ペ

レットでは色つきペレットが、PO ペレット/フラフでは選別された PS がインゴットとし

て回収される。また、アンモニア合成では、二酸化炭素(炭酸ガス)と水素が共生される。

このような場合には、それぞれの製品に環境負荷を適切に負担させる必要がある。

ISO14041 においては、これを配分(アロケーション)と呼び、その原則および手順を規定

している。その手順では、①単位プロセスを分割あるいはシステム拡張により配分を回避

する、②配分を回避できない場合に、物理的関係(質量、モルなど)を反映して配分する、

③物理的関係でも回避できない場合には、経済価値などによる、としている。 再生 PS ペレットおよび再生 PO ペレット製造時にはそれぞれ色つきペレットおよび PS

インゴットが共生される。これらの再商品化製品では、その品質や用途が価格に反映して

いるとも考えられる。これらの市場価格は表 4-1 に示すようにかなりばらついているが、丁

寧に選別、洗浄すると高価格で取引できるといわれている。環境負荷を共生品には配分し

ない場合(‘配分なし’)を含めて、再商品化製品 1kg あたりの LCI を表 4-2 に、LCCO2

を図 4-3 に示す。なお、再生 PET フレークにおいては、ここでは配分対象となる共生品が

ないものとした。 再生 PS ペレットにおいて配分の影響が見られるが、再生 PO ペレット/フラフでは大き

な違いはない。再生 PO ペレット/フラフでは共生される PS インゴットの量が少ないため

に影響が出なかったものと考えられる。

表 4-1 再商品化製品の市場価格(円/kg) 再商品化

製品 再生 PET フレーク

再生 PS ペ

レット(白) 再生 PS ペ

レット(色つき) 再生 PO ペレット

再生 PO フラフ

再生 PS インゴット

市場価格* 30~60 100 25 10~25 2~3 5~15 配分に使

用した値 45 100 25 17 3 10

容リプラ利

用製品 液体アンモニア (ローリー)

液化炭酸 (ローリー)

水素 (ボンベ)

市場価格 100~120 50~70 170~210 円/m3 配分に使

用した値 110 60 190 円/m3

* ヒアリングによる

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表 4-2 マテリアルリサイクル再商品化製品 1kg あたりの LCI(資源採取まで遡及) ①再生 PS ペレット

重量配分 価格配分 白色に配分白色 色つき 白色 色つき 白色 色つき

資源消費 石炭 kg 0.063 0.063 0.079 0.020 0.086 0.000石油 kg 0.073 0.073 0.090 0.023 0.098 0.000天然ガス kg 0.032 0.032 0.040 0.010 0.043 0.000ウラン鉱石 kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000水 kg 5.575 5.575 6.916 1.729 7.518 0.000

エネルギー消費エネルギー消費(計) MJ 9.717 9.717 12.053 3.013 13.103 0.000  サイト(電力以外) MJ 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000  サイト(電力、自家発を含む) MJ 9.345 9.345 11.591 2.898 12.601 0.000  原材料 MJ 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000  副資材等 MJ 0.373 0.373 0.462 0.116 0.503 0.000

製品(再生品) kg 1.000 1.000 1.240 0.310 1.348 0.000残渣等 副生品・残渣等(計) kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000

  埋立処理 kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000  焼却処理 kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000  再資源化(副生品) kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000

大気圏排出物 CO2 (計) kg 1.166 1.166 1.447 0.362 1.573 0.000  CO2 サイト(自家発分を含む) kg 0.580 0.580 0.719 0.180 0.781 0.000  CO2 電力(自家発を除く) kg 0.497 0.497 0.617 0.154 0.671 0.000  CO2 原材料 kg 0.087 0.087 0.108 0.027 0.117 0.000  CO2 副資材等 kg 0.002 0.002 0.003 0.001 0.003 0.000NOx kg 0.000 0.000 0.001 0.000 0.001 0.000SOx kg 0.001 0.001 0.001 0.000 0.001 0.000PM kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000

水圏排出物 BOD kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000COD kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000SS kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000

固形廃棄物 kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000

インプ

ット

アウトプ

ット

単位再生PSペレット

②再生 PO ペレット 重量配分 価格配分 POに配分

POペレット PSインゴット POペレット PSインゴット POペレット PSインゴット資源消費 石炭 kg 0.016 0.016 0.017 0.006 0.019 0.000

石油 kg 0.031 0.031 0.032 0.011 0.035 0.000天然ガス kg 0.009 0.009 0.009 0.003 0.010 0.000ウラン鉱石 kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000水 kg 2.555 2.555 2.647 0.952 2.908 0.000

エネルギー消費エネルギー消費(計) MJ 8.239 8.239 8.535 3.070 9.376 0.000  サイト(電力以外) MJ 0.619 0.619 0.642 0.231 0.705 0.000  サイト(電力、自家発を含む) MJ 7.459 7.459 7.727 2.779 8.488 0.000  原材料 MJ 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000  副資材等 MJ 0.161 0.161 0.167 0.060 0.183 0.000

製品(再生品) kg 1.000 1.000 1.036 0.373 1.138 0.000残渣等 副生品・残渣等(計) kg 0.799 0.799 0.827 0.298 0.909 0.000

  埋立処理 kg 0.799 0.799 0.827 0.298 0.909 0.000  焼却処理 kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000  再資源化(副生品) kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000

大気圏排出物 CO2 (計) kg 0.599 0.599 0.621 0.223 0.682 0.000  CO2 サイト(自家発分を含む) kg 0.365 0.365 0.378 0.136 0.415 0.000  CO2 電力(自家発を除く) kg 0.127 0.127 0.131 0.047 0.144 0.000  CO2 原材料 kg 0.103 0.103 0.107 0.038 0.117 0.000  CO2 副資材等 kg 0.004 0.004 0.005 0.002 0.005 0.000NOx kg 0.002 0.002 0.002 0.001 0.002 0.000SOx kg 0.001 0.001 0.001 0.000 0.001 0.000PM kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000

水圏排出物 BOD kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000COD kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000SS kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000

固形廃棄物 kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000

インプ

ット

アウトプ

ット

再生POペレット

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③再生 PO フラフ 重量配分 価格配分 POに配分

POフラフ PSインゴット POフラフ PSインゴット POフラフ PSインゴット資源消費 石炭 kg 0.050 0.050 0.044 0.036 0.056 0.000

石油 kg 0.067 0.067 0.058 0.048 0.074 0.000天然ガス kg 0.025 0.025 0.022 0.018 0.027 0.000ウラン鉱石 kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000水 kg 3.638 3.638 3.184 2.622 4.021 0.000

エネルギー消費エネルギー消費(計) MJ 7.300 7.300 6.388 5.260 8.068 0.000  サイト(電力以外) MJ 0.527 0.527 0.462 0.380 0.583 0.000  サイト(電力、自家発を含む) MJ 6.632 6.632 5.803 4.779 7.329 0.000  原材料 MJ 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000  副資材等 MJ 0.141 0.141 0.123 0.102 0.156 0.000

製品(再生品) kg 1.000 1.000 0.875 0.721 1.105 0.000残渣等 副生品・残渣等(計) kg 0.786 0.786 0.688 0.567 0.869 0.000

  埋立処理 kg 0.299 0.299 0.262 0.216 0.331 0.000  焼却処理 kg 0.408 0.408 0.357 0.294 0.451 0.000  再資源化(副生品) kg 0.079 0.079 0.069 0.057 0.087 0.000

大気圏排出物 CO2 (計) kg 0.584 0.584 0.511 0.421 0.645 0.000  CO2 サイト(自家発分を含む) kg 0.036 0.036 0.032 0.026 0.040 0.000  CO2 電力(自家発を除く) kg 0.384 0.384 0.336 0.277 0.424 0.000  CO2 原材料 kg 0.153 0.153 0.134 0.110 0.169 0.000  CO2 副資材等 kg 0.011 0.011 0.009 0.008 0.012 0.000NOx kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.001 0.000SOx kg 0.001 0.001 0.001 0.001 0.001 0.000PM kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000

水圏排出物 BOD kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000COD kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000SS kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000

固形廃棄物 kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000

インプ

ット

アウトプ

ット

再生POフラフ

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.2

1.4

1.6

1.8

再生PETフレーク 再生白色PSペレット 再生POペレット 再生POフラフ

CO

2排

出量

(kg

-CO

2/k

g-pro

duc

t)

質量配分

価格配分

配分なし

図 4-3 種々の配分法によるマテリアルリサイクル再商品化製品の LCCO2 (再生 PET フレークは配分対象なし)

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ガス化による再商品化製品である合成ガスからはアンモニアが製造されているが、この

とき二酸化炭素(炭酸ガス)および若干の水素が共生品として得られる。この場合には質

量のほかに、容量(モル)、価格などによる配分が考えられる。アンモニア 1kg あたりの

LCI および LCCO2を表 4-3 および図 4-4 に示す。容量(モル比)配分の場合には、当然の

ことながら二酸化炭素より軽いアンモニアの負荷が大きくなる。価格配分のよる値はどち

らかというと容量配分の値に近い。一方、‘配分なし’とした場合には、共生される二酸化

炭素が多いので、アンモニアの負荷が大きくなる。なお、炭酸ガスについて、液化にかか

わる環境負荷は考慮していない。

表 4-3 配分法の違いによるアンモニアの LCI(資源採取まで遡及) 質量配分 容量配分 価格配分 配分なし

アンモニア 炭酸ガス 水素 アンモニア 炭酸ガス 水素 アンモニア 炭酸ガス 水素 アンモニア石炭 kg 0.018 0.018 0.018 0.029 0.011 0.243 0.025 0.013 0.478 0.046石油 kg 0.035 0.035 0.035 0.056 0.022 0.479 0.049 0.027 0.943 0.090天然ガス kg 0.074 0.074 0.074 0.117 0.045 0.996 0.101 0.055 1.962 0.187ウラン鉱石 kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000水 kg 23.095 23.095 23.095 36.757 14.201 312.431 31.804 17.347 615.254 58.802エネルギー消費(計) MJ 6.432 6.432 6.432 10.237 3.955 87.014 8.857 4.831 171.352 16.377  サイト(電力以外) MJ 3.844 3.844 3.844 6.118 2.364 52.005 5.294 2.888 102.410 9.788  サイト(電力、自家発を含む MJ 2.437 2.437 2.437 3.878 1.498 32.964 3.356 1.830 64.914 6.204  原材料 MJ 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000  副資材等 MJ 0.151 0.151 0.151 0.241 0.093 2.045 0.208 0.114 4.027 0.385再生製品 kg 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000副生品・残渣等(計) kg 0.011 0.011 0.011 0.018 0.007 0.149 0.015 0.008 0.294 0.028  埋立処理 kg 0.005 0.005 0.005 0.008 0.003 0.070 0.007 0.004 0.137 0.013  焼却処理 kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000  再資源化(副生品) kg 0.006 0.006 0.006 0.009 0.004 0.080 0.008 0.004 0.157 0.015CO2 (計) kg 0.414 0.414 0.414 0.659 0.255 5.604 0.570 0.311 11.035 1.055  CO2 サイト(自家発分を含 kg 0.186 0.186 0.186 0.296 0.114 2.516 0.256 0.140 4.955 0.474  CO2 電力(自家発を除く) kg 0.141 0.141 0.141 0.225 0.087 1.909 0.194 0.106 3.758 0.359  CO2 原材料 kg 0.076 0.076 0.076 0.121 0.047 1.032 0.105 0.057 2.033 0.194  CO2 副資材等 kg 0.011 0.011 0.011 0.017 0.007 0.147 0.015 0.008 0.289 0.028NOx kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.004 0.000 0.000 0.007 0.001SOx kg 0.001 0.001 0.001 0.001 0.000 0.008 0.001 0.000 0.015 0.001PM kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.001 0.000BOD kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000COD kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000SS kg 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000固形廃棄物 kg

インプ

ット

アウトプ

ット

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.2

アンモニア

CO

2排

出量

(kg

-C

O2/

kg-am

monia

)

質量配分

容量配分

価格配分

配分なし

図 4-4 配分法の違いによるアンモニアの LCCO2

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4.3 代替係数 本調査では 3.6 項において、再商品化製品(製品)と新規品(製品)の同等性に関連して

代替係数を定義した。 マテリアルリサイクルによる再生 PET フレークはボトル用、繊維用、シート用など種々

の用途に使用されている。一方、新規 PET 樹脂もボトル用、繊維用など用途によってグレ

ードが異なるようだが、インベントリそのものに大きな差はないと言われており、それぞ

れのデータについては明らかにされていない*1。そこで、3.7.2 項①ポリエステル短繊維で

は、PE 短繊維のデータ(経済産業省繊維課)とは別に、ボトル用新規樹脂(プラスチック

処理促進協会)に対して価格による代替係数を導入したが、データの出所が異なり、必ず

しも同等に評価できない。価格による代替係数の妥当性を評価するには、インベントリデ

ータについて検討が必要である。 再生 PO 樹脂はパレットをはじめ、容器、土木・建築用製品に使用されているが、新規原

材料と同等に扱われている場合は、代替係数は1としてよい。しかしながら、再商品化製

品の用途として開発された製品、例えば、擬木、車止めなどでは、新規樹脂からは造られ

ていない。新規樹脂で製造することは可能であるが、過剰品質であり経済的にも成立しな

いためと考えられる。このような用途では、他の素材(木、コンクリートなど)との比較

になるが、適当な再商品化製品のデータがない場合に新規材のデータと代替係数を用いる

ことは可能であろう。 本調査では、副生品の評価に代替係数を適用した。すなわち、再生 PET フレーク製造時

に選別される PP キャップやラベル、ケミカルリサイクルにおけるスラグや回収塩酸などの

副生品に対しては、価格による代替係数などを新規材代替率として評価し、控除した。 4.4 残渣処理 その他プラスチックのマテリアルリサイクルにおいては、多量に発生する残渣の処理が

課題である。 マテリアルリサイクルについての平成 15年 7月~9月の廃棄物フローを図 4-5に示すが、

残渣の約 70%は埋立処理、約 7%が焼却処理、約 23%が資源化処理となっている。 リサイクル効果の検討においては、比較対象を単純焼却としたため、再商品化プロセス

についても焼却処理として扱ったが、図 4-5 のフローに従った結果(現状の残渣処理)では、

当然のことながら CO2排出量は低いが、最終処分地での埋立量が多くなる。 マテリアルリサイクルの現状について、個別の事業者では、全量を埋立あるいは焼却に

したり、また積極的に資源化を進めているところもあり、一概にマテリアルリサイクルの

リサイクル効果として評価することは難しい。さらに、CO2 の低減と埋立量の増加という

相反する影響について、どのように評価するかも課題となる。

*1 プラスチック処理促進協会の PET 樹脂のデータはボトル用とされているが、繊維用のデータは示され

ていない。

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54

図 4-5 マテリアルリサイクル事業者における廃棄物のフロー図 (出所 経済産業省リサイクル推進課)

このような状況の中で、その他プラスチックのマテリアルリサイクルで発生する残渣を

他のケミカルリサイクルやサーマルリサイクルの原料として再資源化することが考えられ、

一部で検討が進められている。この場合、脱塩素処理など事前処理の強化が必要となるが、

いま事前処理のうち脱塩素にかかわるエネルギー消費が 2 倍になったと仮定して、さらに

残渣の性状を表 3-3 のように仮定して、残渣 1kg あたりの再資源化効果(リサイクル効果)

を試算する。高炉還元剤利用、コークス炉原料炭代替利用、RPF 化利用、セメントキルン

燃料化利用およびスーパーごみ発電利用へ適用した場合の試算結果を表4-4および図4-6に示す。 いずれの場合も容リプラを原料とした場合に比べて若干劣るが、大きな再資源化効果(リ

サイクル効果)が期待できる。このことから、マテリアルリサイクルとケミカルリサイク

ルあるいはサーマルリサイクルとの連携は有効と考えられる。

投入 選別 分離 製品化

選別残渣 分離残渣

埋立

焼却

資源化

廃棄物

埋立

焼却

資源化

埋立

焼却

資源化

21,048t (100%)

10,688t (51%)

3,616t(17%) 6,271t(30%)

9,887t (47%)

(2,334t)

(285t)

(997t)

(4,627t)

(366t)

(1,278t)

6,961t

651t

2,275t

33%(70.4%)

3%( 6.6%)

11%(23.0%)

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表 4-4 その他プラスチックのマテリアルリサイクル残渣の再資源化効果(削減量) MR 残渣 1kg あたり (参考)容リ・プラ 1kg あたり

CO2排出 (kg-CO2/kg)

エネルギー消費 (MJ/kg)

CO2排出 (kg-CO2/kg)

エネルギー消費 (MJ/kg)

高炉還元剤利用 2.55 30.5 2.87 36.0 コークス炉原料炭代替利用 2.33 23.0 2.63 29.0 RPF 化利用 3.11 31.2 3.22 35.1 セメント燃料化利用 2.93 31.9 3.32 36.2 スーパーごみ発電利用 1.85 26.2 1.79 29.2

図 4-6 その他プラスチックのマテリアルリサイクル残渣の再資源化効果

-4,000

-2,000

0

2,000

4,000

6,000

8,000

高炉

還元

剤利

コーク

ス炉

原料

炭代

替利

RP

F利

用(石

炭代

替)

セメン

ト燃料

化利

用(石

炭代

替)

スー

パー

ごみ

発電

利用

CO

2排出

量(g

-CO

2/kg

-pla

stic

res

idue)

代替システム 新規材製造 代替システム 廃棄処理 リサイクルシステム 再商品化

リサイクルシステム 利用製品化 リサイクルシステム 廃棄処理 リサイクル効果

CO2

-40.0

-30.0

-20.0

-10.0

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

高炉

還元

剤利

コー

クス

炉原

料炭

代替

利用

RP

F利

用(石

炭代

替)

セメント燃

料化

利用

スー

パー

ごみ

発電

利用

エネ

ルキ

゙ー消

費(M

J/kg

-pl

astic)

代替システム 新規材製造 代替システム 廃棄処理 リサイクルシステム 再商品化

リサイクルシステム 利用製品化 リサイクルシステム 廃棄処理 リサイクル効果

エネルギー

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56

4.5 再商品化手法のリサイクル効果 それぞれの再商品化プロセスのリサイクル効果については 3.7.1 項に示したが、容リプラ

1kg あたりのリサイクル効果を纏めて図 4-5-1~4-5-3 に示す。 また、再生原料を用いた利用製品化プロセスについて、容リプラ 1kg あたりのリサイク

ル効果を纏めて図 4-6-1~4-6-3 に示す。 CO2排出量については、再商品化プロセスでは PET フレークや PS ペレットのリサイク

ル効果は大きいが、再生製品までの範囲で見ると、再生 PET 繊維、PSP トレイのほか、高

炉還元剤利用、コークス炉原料炭代替利用、ガス化・アンモニア製造などのケミカルリサ

イクル、直接燃料として利用するセメントキルン燃料化でリサイクル効果が大きい。 エネルギー消費量では、マテリアルリサイクルによる再商品化の効果が大きい。利用製

品化までの範囲で見ると、利用製品化に多量のエネルギーを消費する食品用トレイ、アン

モニア合成などで、リサイクル効果がやや低下する。 埋立量については、残渣発生の多い PO パレット以外は大差なく、どのように残渣を処理

するかに掛かっていると考えられる。

図 4-5-1 各種再商品化プロセスの CO2排出量に対するリサイクル効果

-4,000

-3,000

-2,000

-1,000

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

PET

フレー

PET

モノマ

ー化

(DM

T)

PET

モノマ

ー化

(BH

ET

)

白色

PS

ペレ

ット

PO

ペレ

ット

PO

フラフ

油化

(炭化

水素

油)

ガス

化(合

成ガス

)

CO

2排出

量(g

-CO

2/k

g-pl

ast

ic)

代替システム 新規材製造 代替システム 廃棄処理 リサイクルシステム 再商品化

リサイクルシステム 利用製品化 リサイクルシステム 廃棄処理 リサイクル効果

CO2

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57

図 4-5-2 各種再商品化プロセスのエネルギー消費量に対するリサイクル効果

図 4-5-3 各種再商品化プロセスの埋立量に対するリサイクル効果

-60.0

-40.0

-20.0

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

PET

フレー

PET

モノマ

ー化

(DM

T)

PET

モノマ

ー化

(BH

ET

)

白色

PS

ペレ

ット

PO

ペレ

ット

PO

フラフ

油化

(炭化

水素

油)

ガス

化(合

成ガス

)

エネ

ルギ

ー消

費量

(MJ/kg

-pla

stic

)

代替システム 新規材製造 代替システム 廃棄処理 リサイクルシステム 再商品化リサイクルシステム 利用製品化 リサイクルシステム 廃棄処理 リサイクル効果

エネルギー

-0.20

-0.15

-0.10

-0.05

0.00

0.05

0.10

0.15

0.20

PET

フレー

PET

モノマ

ー化

(DM

T)

PET

モノマ

ー化

(BH

ET

)

白色

PS

ペレ

ット

PO

ペレ

ット

PO

フラフ

油化

(炭化

水素

油)

ガス

化(合

成ガス

)

埋立

量(k

g/kg

-pl

ast

ic)

代替システム 新規材製造 代替システム 廃棄処理 リサイクルシステム 再商品化リサイクルシステム 利用製品化 リサイクルシステム 廃棄処理 リサイクル効果

埋立

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58

図 4-6-1 各種再商品化~利用製品化プロセスの CO2排出量に対するリサイクル効果

図4-6-2 各種再商品化~利用製品化プロセスのエネルギー消費量に対するリサイクル効果

-60.0

-40.0

-20.0

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0

120.0

PE

Tフレ

ーク・短

繊維

化学

分解

法・P

ET

ボト

食品

用再

生P

SP

トレイ

白色

再生

PS

Pト

レイ

再生

PO

パレ

ット

高炉

原料

コー

クス

炉原

料炭

代替

ガス

化・ア

ンモ

ニア

油化

・サー

マル

ガス

化・サ

ーマ

RP

F化

(石炭

代替

)

セメント燃

料化

(石炭

代替

)

エネ

ルギ

ー消

費量

(MJ/kg

-pl

astic)

代替システム 新規材製造 代替システム 製品化 代替システム 廃棄処理 リサイクルシステム 再商品化

リサイクルシステム 利用製品化 リサイクルシステム 廃棄処理 リサイクル効果

エネルギー

-4,000

-2,000

0

2,000

4,000

6,000

8,000

PE

Tフレ

ーク・短

繊維

化学

分解

法・P

ET

ボト

食品

用再

生P

SP

トレイ

白色

再生

PS

Pト

レイ

再生

PO

パレ

ット

高炉

原料

コー

クス

炉原

料炭

代替

ガス

化・ア

ンモ

ニア

油化

・サー

マル

ガス

化・サ

ーマ

RP

F化

(石炭

代替

)

セメント燃

料化

(石炭

代替

)

CO

2排

出量

(g-C

O2/kg

-pl

astic)

代替システム 新規材製造 代替システム 製品化 代替システム 廃棄処理 リサイクルシステム 再商品化

リサイクルシステム 利用製品化 リサイクルシステム 残渣サーマル利用 リサイクルシステム 廃棄処理 リサイクル効果

試算(燃焼を含む)CO2

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59

図 4-6-3 各種再商品化~利用製品化プロセスの埋立量に対するリサイクル効果 以上のように、再商品化手法のリサイクル効果については、システム境界を適切に設定

することにより評価が可能である。したがって、図 4-6 に示した結果は、現在の容リプラの

リサイクルの実態を示すものとして妥当と考えられる。 一方、上述のようにマテリアルリサイクルでは、残渣処理が課題であり、利用製品化に

おいては新規原料を配合している例もある。 そこで、将来の姿を踏まえて、品質上から制約を受けない範囲で利用製品化の原材料を

再生原材料に置き換え、さらに残渣処理については全量を 4.4 項で述べた再資源化処理した

場合について試算することにより、再商品化手法本来のリサイクル効果の検討を行った。

ここで、再資源化としては高炉還元剤利用を例とした。結果を図 4-7-1~4-7-2 に示す。 マテリアルリサイクルにおいては、残渣を焼却処理から高炉還元剤利用とすることによ

る効果および原材料を再生原材料に置き換えた効果の寄与は大きく、CO2 排出量について

は、いずれの再商品化手法も容リプラ 1kg あたり 2~3kg-CO2 の排出削減と大差なくなる。

エネルギー消費において、残渣の高炉還元剤利用がマイナスとなっているが、これは高炉

還元剤利用に伴うエネルギー消費よりも代替される石炭エネルギー削減効果が大きいため

である。なお、最終的に埋立廃棄となる量は容リプラあたり0~0.02kgと極めて少なくなる。

-0.20

-0.15

-0.10

-0.05

0.00

0.05

0.10

0.15

0.20

PE

Tフレ

ーク・短

繊維

化学

分解

法・P

ET

ボト

食品

用再

生P

SP

トレイ

白色

再生

PS

Pト

レイ

再生

PO

パレ

ット

高炉

原料

コー

クス

炉原

料炭

代替

ガス

化・ア

ンモ

ニア

油化

・サー

マル

ガス

化・サ

ーマ

RP

F化

(石炭

代替

)

セメン

ト燃料

化(石

炭代

替)

埋立

量(k

g/kg

-pl

astic)

代替システム 新規材製造 代替システム 廃棄処理 リサイクルシステム 再商品化

リサイクルシステム 利用製品化 リサイクルシステム 廃棄処理 リサイクル効果

埋立

Page 52: 【本 編】 - METI11 2.2 インベントリ調査 2.2.1 データ収集 本年度調査においては、マテリアルリサイクル、前年度データが得られなかったPET

60

図 4-7-1 再生原材料利用および残渣の高炉還元剤利用による CO2排出削減効果

図 4-7-2 再生原材料利用および残渣の高炉還元剤利用によるエネルギー消費削減効果

-6,000

-4,000

-2,000

0

2,000

4,000

6,000

8,000

PET

フレー

ク・短

繊維

/高

化学

分解

法・P

ET

ボト

ル/高

PS

ペレ

ット・

食品

用P

SP

トレイ/高

PS

ペレ

ット・白

色P

SP

トレイ/高

PO

フラフ・再

生ハ

゚レット

/高

高炉

還元

剤/高

コー

クス

炉原

料炭

代替

物/高

油化

/高

ガス

化・ア

ンモ

ニア

/高

RP

F化

(石炭

代替

)

セメント燃

料化

(石炭

代替

)

CO

2排

出量

(g-C

O2/kg

-pla

stic

)

代替システム 新規材製造 代替システム 製品化 代替システム 廃棄処理 リサイクルシステム 再商品化

リサイクルシステム 利用製品化 リサイクルシステム 高炉利用 リサイクルシステム サーマル利用 リサイクル効果

CO2

-80.0

-60.0

-40.0

-20.0

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0

120.0

PE

Tフレ

ーク・短

繊維

/高

化学

分解

法・P

ETホ

゙トル

/高

PS

ペレ

ット・

食品

用P

SP

トレイ/高

PS

ペレ

ット・

白色

PS

Pトレ

イ/高

PO

フラ

フ・再

生ハ

゚レット/

高炉

高炉

還元

剤/高

コー

クス

炉原

料炭

代替

物/高

油化

/高

ガス

化・ア

ンモ

ニア

/高

RP

F化

(石炭

代替

)

セメント燃

料化

(石炭

代替

)

エネ

ルギ

ー消

費量

(MJ/kg

-pl

astic)

代替システム 新規材製造 代替システム 製品化 代替システム 廃棄処理 リサイクルシステム 再商品化リサイクルシステム 利用製品化 リサイクルシステム 高炉利用 リサイクルシステム サーマル利用 リサイクル効果

エネルギー

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61

5. まとめ 本調査においては、昨年度実施した容器包装リサイクル法に基づく再商品化手法にかか

わるライフサイクルインベントリ調査結果を踏まえ、インベントリデータの精緻化および

再商品化に続く利用製品化にかかわるインベントリを調査した。一方で、これらのデータ

を用いて再商品化手法の環境負荷評価について、客観的で合理的な LCA 手法の確立を目指

して検討した。 その結果、

(1) 再商品化手法への LCA 手法の適用について、廃棄・リサイクル段階における環境

負荷を、リサイクルを実施した場合と実施しなかった場合との差(本調査では、「リ

サイクル効果」と定義)として評価することで可能である。 (2) 再商品化手法のリサイクル効果を評価するには、製品の機能が同一となるように設

定することが肝要であり、容リ法で規定される範囲を一律にシステム境界に設定す

ることは適切とは限らない。 - システム境界を再商品化の範囲から利用製品化まで拡張することにより適切な

評価が可能となる場合がある。 例 PSP トレイ、パレットなどへのマテリアルリサイクル 高炉還元剤、原料炭代替物、ガス化などのケミカルリサイクル

(3) その他プラスチックのマテリアルリサイクルでは、残渣を適切に評価する必要があ

る。現状のリサイクル形態のリサイクル効果を明らかにするとともに、ケミカルリ

サイクルあるいはサーマルリサイクルなどの原料として再資源化することにより、

環境負荷を大幅に低減できる可能性を示唆した。 (4) 再商品化手法のリサイクル効果による評価について、現状ではマテリアルリサイク

ルに製品によって差はあるものの、ばらつきも大きく、手法により有意差があると

はいえない。一方、残渣処理を適切に行うなど、将来的な姿として各再商品化手法

の潜在的な可能性を評価すると、いずれの手法も大きな差はないと考えられる。